【今週の債券】軟調か、長期金利の反転基調継続-20年債入札警戒も

今週の債券相場は軟調(利回りは 上昇)な展開が見込まれる。今月に入って低下基調が続いてきた長期金 利が反転基調となっており、こうした動きが継続する見通し。また、週 半ば実施の20年国債入札に対する警戒感も相場の重しとなりそうだ。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、足元 は投資家の押し目買い意欲の強さが目立つが、依然として相場は調整局 面にあると考えていると指摘。そのうえで、「徐々に外部環境に打たれ て、弱い地合いに変化してくる」と見込んでいる。

今週の新発10年債利回りについて、17日夕までに市場参加者3 人に聞いたところ、全体の予想レンジは1.27%から1.40%となった。 前週末の終値は1.32%。

前週の債券相場は軟調。米国長期金利の上昇や株高を受けて、新発 10年債利回りが節目の1.3%割れの水準まで低下していたことに対す る警戒感が強まった。1.3%台前半中心の推移となり、一時は1.355% と2日以来の高水準をつけた。トヨタアセットマネジメントの浜崎優シ ニアストラテジストは、「2日発表の米雇用統計をきっかけにした景気 懸念で債券が買われてきたのが、先週の米企業業績を受けて、方向性が 変わってきている」と説明した。

今週も最近の金利上昇傾向が継続しそうだ。シュローダー証券投信 投資顧問の塚谷厳治債券チームヘッドは、「これまでの金利低下が急だ ったことから上昇圧力がかかりやすい」と予想している。

こうしたなか、政局動向も注目される。麻生太郎首相は21日午 後に衆院を解散する意向を示した。ただ、衆院選後の政権枠組みや政策 が具体化しないと、材料として消化しにくい。トヨタアセットの浜崎氏 は「民主党を中心とする野党連合が過半数を取れるかがポイント。それ が分かるまで債券相場を動かす材料にはなりにくい」とみている。

20年入札に注目、クーポン引き下げ

需給面では、22日に実施される20年利付国債の入札が注目だ。 前週末の入札前取引では2.055%程度で推移しており、表面利率(ク ーポン)は前回債より0.1ポイント低い2.1%が見込まれている。相 場が上昇すれば2.0%に引き下げられる可能性も出てくる。発行額は 前回債から2000億円増額の1兆1000億円程度。

今月7日に行われた超長期ゾーンの40年債入札が低調だったこと に加えて、利回り曲線がスティープ(傾斜)化するなど、期間の長い債 券が売り込まれやすくなっており、20年入札に対する不安が根強い。

日興シティグループ証の佐野氏は、足元の利回り水準では絶対金利 水準を重視する投資家の買いは鈍いとみているが、「地合いの悪さは入 札に向けた準備。終わってみれば無難な結果ではないか」と予想する。

市場参加者の予想レンジとコメント

17日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の 通り。先物は中心限月9月物、新発10年国債利回りは302回債。

◎シュローダー証券投信投資顧問・塚谷厳治債券チームヘッド

先物9月物137円50銭-138円80銭

新発10年債利回り=1.30%-1.40%

「弱めの展開か。これまでの金利低下が急だったことから上昇圧力 がかかりやすい。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長によ る下院金融委員会での半期金融政策報告が焦点。金融緩和政策で出口戦 略の話に注目している。日本は年末までは出口戦略はないと思うが、米 国で出口戦略の見通しが出れば、債券は売られやすくなるだろう」

◎トヨタアセットマネジメント・浜崎優シニアストラテジスト

先物9月物138円00銭-139円00銭

新発10年債利回り=1.28%-1.38%

「相場はもみ合いながらも調整気味。ここ数日間の動きをみると、 月初の米雇用統計をきっかけにした景気懸念で買われてきたのが、米企 業業績を受けて方向性が変わってきている。米景気の先行きに対する安 心感も出ている。国内では今後の指標を見極めようと様子見姿勢が強い が、米景気回復基調が日本や欧州にも広がっていくとみている」

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物9月物138円20銭-139円10銭

新発10年債利回り=1.27%-1.36%

「10年で1.3%付近の均衡が続く。株、為替も含め、相場の方向 感を決める決定的な材料が見当たらない。選挙もすぐに影響が出るもの ではなく、政策を見極めていく必要がある。20年入札は影響も限定的。 警戒すべきは米企業決算などのイベントリスク。ここ数年は夏から秋に かけて材料が出ている。金融機関はローンの焦げ付き増に要注意だ」

--取材協力:池田祐美、船曳三郎 Editors:Tetsuzo Ushiroyama,

Norihiko Kosaka

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