米AIG苦しめるCDSの毒-取引解消まで想像以上に長いとの見方も

アナリストらによれば、米保険 会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、同社 の想定を超えるほどの長い期間、企業融資や住宅ローン関連のリスク を背負わざるを得ない状況に追い込まれる可能性があるため、米政府 による同社救済が複雑化する恐れがある。

同社が販売したクレジット・デフォルト・スワップ(CDS) を、フランスのソシエテ・ジェネラルやBNPパリバ含む欧州の金融 機関は現在、2000億ドル(約18兆7300億円)近く保有している。 AIGはこれら金融機関がCDS契約を解消すると見込んでいるもの の、資産価値下落への備えとして維持し続ける可能性を投資銀行ヘク サゴン・セキュリティーズのマネジングディレクター、デービッド・ ヘブンズ氏は指摘する。

ヘブンズ氏は、AIGの「取引相手にとって、自主的に契約解 消する意味はない」と述べ、「世界的に資産価値が下がってしまった ことは明らかで、米政府が保証してくれると十分に信頼できる状況の なかで、取引解消する理由はないだろう」と説明した。

販売したCDSが保証する資産の価値下落が担保積み増しを必 要にし、昨年9月にAIGを破たん間際に追い込んだのと同じ流動性 と格付け両面からの負のサイクルが再び起こるかもしれないと指摘す るのは、シティグループのアナリスト、ジョシュア・シャンカー氏だ。 AIGはサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンを保証す るCDS取引の負担が原因で、米政府から1825億ドルの支援を受け るに至った。

同社の届け出によれば、住宅ローンを保証する欧州向けCDS の加重平均残存期間は25年超、企業向け融資を対象とするCDSで は約6年。AIGの広報担当、マーク・ハー氏は、欧州の金融機関を 相手とするCDSの規模は3月31日時点で1926億ドルと、1年3 カ月で半減したとし、取引解消は進むとの見方を示した。また同社は 6月、向こう1年で大半の契約が解消されるとの見通しを示していた。

ただ、調査会社グラディエント・アナリティクスのドン・ビック レー執行副社長は、解消が進んでいるのはリスクの度合いが比較的低 いCDSだと指摘し、「四半期ごとにCDSの毒性は強まっている」 と話した。

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