オバマ米大統領の景気刺激策:浮揚効果は限定的-エコノミスト

7870億ドル(約73兆7000億円) に上る米景気対策をめぐり、その規模は十分か、効率的に考案されて いるかなどといった議論は、「そもそも財政出動によるリセッション (景気後退)脱却は可能なのか」といった、より根本的な問題を覆い 隠していると、エコノミストらは指摘する。

信用逼迫(ひっぱく)が続き、失業率の上昇や貯蓄志向の高まり を受けて個人消費の見通しも暗いなか、政府がいくら介入しても、雇 用情勢の悪化に歯止めをかけて米国をリセッションから迅速に回復さ せることはできない、とエコノミストらは言う。

債券ファンド運用最大手、米パシフィック・インベストメント・ マネジメント(PIMCO)のグローバル戦略アドバイザー、リチャ ード・クラリダ氏は「融資を望む多くの家計が、融資を受けられない 状態にある。一方で融資を受けられる家計の多くも、退職に備えて貯 蓄しなければならないため、借り入れを控えている」と説明。「結果と して、うまく練られた景気刺激策でさえ、その相乗効果はかなり控え めなものにとどまる公算が大きい」と指摘した。

2003-06年に米議会予算局(CBO)局長を務め、現在はワシ ントンのDHEコンサルティングの社長を務めるダグ・ホルツエアキ ン氏は、2月に成立した景気対策法は「おおむね予想通り執行されて いる」ものの、「住宅や株式などの資産価値低下という米経済の主要な 問題には対処できないだろう」との見通しを示した。

7870億ドル規模の景気対策は、これまでに全体の13%に当たる 計1030億ドル分が執行された。

債券利回り

景気回復ペースが遅いことから、投資家は安全性を求めて米国債 の購入を続けており、債券利回りは低下。10年国債金利は6月10日 以降、0.38ポイント低下している。

大半の企業の見通しは不透明だ。ブルームバーグがアナリスト13 人を対象にまとめた予想平均によると、米ゼネラル・エレクトリック (GE)が17日発表する4-6月(第2四半期)決算は、前年同期 比50%を超える減益になる見込み。同社のジェフリー・イメルト最高 経営責任者(CEO)は5月19日、景気対策の効果の大半は来年ま で表れないとの認識を示した。

一方、景気対策の支持派は、財政出動がなければ回復の見通しは さらにずっと悪かったはずだと指摘する。バイデン副大統領の首席経 済顧問ジャレッド・バーンスタイン氏は「景気対策はしっかりと機能 している」と述べた。

現段階では、景気対策の第2弾が打ち出される可能性は低いもの の、その支持派は、第1弾の効果が控えめだった点を強調し、必要性 を訴えている。

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