神戸鋼:造船基幹部品の生産、4月から1割減―フル稼働から一転

国内鉄鋼4位の神戸製鋼所は、造 船に不可欠な基幹部品、クランクシャフトの生産ラインの稼働率を4 月から約10%引き下げたことを明らかにした。ここ数年の好景気でフ ル稼働状態が続き、受注残も2年弱あるが、世界的な景気悪化に伴う 船舶需要の落ち込みで造船メーカーから納入延期の要請が出ているこ とに対応した。

同社鋳鍛鋼事業部の木本総一鋳鍛統括部長が16日、兵庫県高砂市 でブルームバーグ・ニュースの取材に答えた。クランクシャフトは船 のエンジンの駆動をスクリューに伝える基幹部品。神鋼によると、同 社が世界シェアの約40%を握る。

木本氏によると「造船業界で景気悪化の影響が出始めたのは他業 界より遅く、数カ月ほど前から。メーカーから注文のキャンセルはま だないが、納入を先に延ばしてほしいという要請が出始めた」といい、 3月までのフル稼働から一転し、今期からは90%程度の稼動率に引き 下げたとしている。

受注残がまだ約2年弱分あるものの、新規受注はほぼゼロの状態。 「受注残の先に何かがあるとは聞いておらず、明るい情報はまだない」 と稼働率を引き下げた背景を説明する。

神鋼は昨年、クランクシャフトを製造する高砂製作所に300億円 を投じ、2010年4月までに生産能力を07年度比40―50%程度増強さ せると発表した。同部門の売上高約600億円(08年度)の約半分に当 たる大型投資だが、木本部長によると、予定通り実施される見通しと いう。

現在の市場環境が続いた場合、来期以降、工場の稼働率は「65- 70%程度に下がる」と予想。稼働率を高めるため、神戸製鋼本体で既 に実施している臨時休業日の導入や、グループ内の別会社から、従来 外注していた製品の製造を請け負うなどの対応策を検討しているそう だ。

過去の造船不況よりまし

しかし、高砂製作所で30年近くクランクシャフトの生産に携わっ てきた木本氏によると、過去に何度か経験した造船不況と比べると「は るかにましだ」と楽観的な姿勢を見せている。

最近では90年代後半のアジア金融危機の直後に生産が3分の1 程度ほどに落ち込んだときもあったという。木本氏は「経済のグロー バル化が進み、荷動きの量が以前とは比較にならないほど増えた。世 界経済が成長を続ける限り、5-10年の長期的なスパンでみれば、底 から浮き上がらないことはないと思う」と話した。

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