日経平均は内需主導で4連騰、子ども関連活況-売買5カ月ぶり低水準

東京株式相場は、日経平均株価が 4連騰。景気や企業業績が予想ほど悪くないとの見方から内需関連株が 買われ、小売りや建設、情報・通信が高い。アナリストの強気判断を受 けた不動産は、東証1部の業種別上昇率で首位。ただ、3連休を控え様 子見姿勢も強く、売買代金は5カ月ぶりの低水準だった。

日経平均株価の終値は前日比51円16銭(0.6%)高の9395円32 銭、TOPIXは6.04ポイント(0.7%)高の878.29。

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、 「景況感がやや楽観に戻っていることで、安全資産からリスク資産への 巻き戻しはもう少し続きそうだ。その中で、相対的出遅れ感から内需関 連が買われている」と述べた。

東証1部業種別33指数では不動産、保険、証券・商品先物取引、 小売、建設、ガラス・土石、情報・通信などが上昇し、電気機器やゴム 製品、鉄鋼など5業種が下落した。

売買代金は概算で1兆246億円にとどまり、2月17日(1兆170 億円)以来の少なさ。明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリス トは「きょうのシティグループなど米国金融決算、あすからの日本市場 の3連休、政局など、買い見送り材料に事欠かない」と指摘した。

不動産の上げ目立つ、民主党政策関連も

前日の海外市場で米国株高、原油高の流れが継続したことを受け、 東京市場も自律反発の動きが続いた。しんきんアセットマネジメントの 山下智己主任ファンドマネジャーは、「米国企業の業績は思ったほど悪 くない。足元のマクロ指標も改善方向に向かっている」と指摘する。た だ、景気回復やデフレ状況などを確認するには「秋までリスクは取れな い」とも話しており、円高傾向を背景に投資資金は内需関連に向かった。

過敏なリスク回避の裏返しから、内需関連の中でも上げが目立った のは不動産株。バークレイズ・キャピタル証券は16日付で同業界の投 資判断を新規に「ポジティブ」とした。同証の橋本隆アナリストは、 「資本市場の回復でお金の流れが良くなり、海外投資家が国内不動産市 場に戻ってくる上、REIT(不動産投資信託)の資金調達も改善して くる。こうした今後のニュースフローを考えると業界にポジティブ」と 指摘している。

このほか、民主党のマニフェスト(政権公約)をにらみ、子育て関 連もにぎわった。毎日新聞などが報じたところでは、民主党は次期衆議 院選挙におけるマニフェストに盛り込む主要政策を説明した解説集を、 全候補者に配布した。各報道では子供手当て、高校無償化、雇用政策、 農業者戸別所得補償制度などが含まれ、全体的には内需主導型経済への 転換を目指す内容だ。

日興シティグループ証券では、民主党の政策の哲学は「格差縮小」 だとし、百貨店や運輸、メディア、インターネット、不動産などの内需 株は経済政策の恩恵が大きいと分析している。この日は内需株全般が高 くなる中、西松屋チェーンやピジョン、スタジオアリスなど子育て関連 が急伸し、コンビは東証1部値上がり率首位となった。

こう着ムード、出遅れには独自要因も

上昇したとはいえ、日経平均は取引開始直後にきょうの高値を付け た後はこう着ムードが強かった。日興コーディアル証券の小林久恒シニ アマーケットアナリストは、「日々の業種騰落率上位の顔ぶれが日替わ りとなるなど、相場全体をけん引する業種が見当たらない」と指摘。来 週は日本でも4-6月期決算の発表が本格化することから、「決算内容 を見たいとして相場が動かないのではないか」との見方を示していた。

一方、ニッセイアセットの久保氏は、「今週に入って日本株は海外 株式と方向性こそ同じだが、上昇率では大きく出遅れる形になってい る」と懸念を示す。要因として、政局の混迷やファイナンスの多さを挙 げ、「外国人にとってわざわざ日本株を買う必要がないのではないか」 と見ていた。

日揮が続伸、NECは300円割れ

個別銘柄では、みずほ証券が「盤石の受注獲得能力で再び成長軌道 へ」とし、新規に「1(強い買い)」の投資判断を付けた日揮、クレデ ィ・スイス証券が目標株価を上げた日立情報システムズは大幅続伸。日 興シ証が強気判断を示した旭硝子や日本電気硝子などガラス株も高い。

半面、1500億円規模の資本増強を検討している、と17日付の読 売新聞朝刊などが報じたNECが3カ月ぶりの300円割れ。ゴールド マン・サックス証券が目標株価を引き下げたジーエス・ユアサ コーポ レーションが売られ、明電舎や新神戸電機といった環境関連の一角もそ ろって安くなった。メリルリンチ日本証券が「アンダーパフォーム」へ 格下げした船井電機は3日続落。

新興3市場は4連騰

新興市場は4連騰。ジャスダック指数の終値は前日比1.08ポイン ト(2.3%)高の48.11、東証マザーズ指数は11.50ポイント (2.7%)高の433.23、大証ヘラクレス指数は6.46ポイント (1.1%)高の598.47。

個別では、ドイツ証券が今期の下期以降に飛躍的な成長を遂げる可 能性が高いとし、目標株価を上げたミクシィが大幅続伸。6月のケーブ ルテレビ、高速インターネット接続、電話の3サービス合計提供数が前 年同月末比17%増のジュピターテレコムは3日ぶりに反発。売買代金 上位では楽天やメイコー、サイバーエージェント、ACCESS、ダイ ヤモンドダイニングが高い。

半面、ダヴィンチ・ホールディングス、アセット・マネジャーズ・ ホールディングス、サムティなどの不動産関連は安い。売買代金上位で は、すみや、日本通信、JCLバイオアッセイが下げた。

--取材協力:Patrick Rial Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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