外為どっとコム総研の植野氏:年内1ドル=90~100円-野村証から移籍

野村証券金融経済研究所の前・投 資調査部長で、7月から外為どっとコム総研の主席研究員を務める植野 大作氏(43)は、円・ドル相場が「中途半端な」景気回復期待を背景 に、年内は1ドル=90円-100円で推移すると予想している。基軸通 貨は「ドルであり続ける可能性が高い」とも述べた。

日経金融新聞、日経ヴェリタスの人気アナリスト調査で今年度まで 5年連続で為替部門の首位を獲得した植野氏は16日のインタビューで、 為替相場は景気の先行きに対する投資家の「微妙な心の揺れ」で動いて いると指摘。世界的な金融危機や景気悪化を受けて先進国の政策金利は ゼロ近くに収れんしており、「金利差が早期に拡大して相場のトレンド を作るとは想定しにくい」との見方を示した。

各国の政策当局が財政出動や金融緩和、流動性供給に取り組んでい るため、昨秋の「リーマンショック後のような暴力的な円高は考えにく い」と分析。ただ、米国経済が「二番底に陥るとの懸念が強まれば、 90円突破もあり得る」と語った。

円の対ドル相場は1月21日に87円13銭と、95年7月以来13 年半ぶりの円高・ドル安水準を記録。4月6日には約5カ月半ぶりに 101円44銭まで下落したが、7月13日には91円74銭と約5カ月ぶ りの高値をつけた。17日午後零時半時点では93円65銭。

ドルは指標銘柄

ドル基軸通貨体制は今後も続くと、植野氏は予想。基軸通貨は「な くなると困るベンチマーク」であり、代替候補とされるユーロは「出来 高でドルの半分程度と、まだ力不足だ」と述べた。国際通貨基金(IM F)の特別引き出し権(SDR)については、「現金(お札)がない」 ため、実現性は低いとの見方だ。

植野氏は、個人投資家による為替取引は外国為替市場にとって「大 きな意義がある」と強調した。年金基金やヘッジファンドなどと異なる 属性を持つ個人が増えれば、売買の方向や時期が偏る可能性が低下し、 乱高下の抑制要因になると指摘。外国為替証拠金業者によるインターネ ットを通じた情報提供などで、プロとの「情報格差は大幅に縮まってい る」と語った。

植野氏は1966年生まれ。88年に東京都立大学経済学部を卒業し、 野村総合研究所に入社。野村証券金融経済研究所投資調査部長などを経 て09年に退職。7月に外為どっとコム総研主席研究員に就任した。

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