日本株は小幅続伸へ、市況高背景に資源関連や海運に買い-電機株も

東京株式相場は小幅続伸し、日経 平均株価はおよそ1カ月半ぶりの4連騰となりそう。きのうの海外市場 では、原油先物価格が続伸、ばら積み船の運賃指標も大幅高となった。 市況高を背景とした業績期待から、大手商社や鉱業、海運が高くなりそ う。コンピューターサービス最大手の米IBMが見通しを上方修正した ことや半導体市況の改善から、電機株も高くなる見通し。

野村証券の若生寿一シニアストラテジストによれば、「米国では景 気や企業業績が予想ほど悪くないとの見方が出ている。IBMの業績見 通しも、テクノロジー株全般に心理的なプラスに働きやすい」という。

シカゴ先物市場(CME)の円建て日経平均先物9月物の16日清 算値は9430円で、大阪証券取引所の通常取引終値(9330円)に比べて 100円高。朝方の日経平均株価はCME水準にさや寄せして高く始まる 可能性が高い。

8日以降に4-6月(第2四半期)決算を発表した米S&P500種 構成企業28社の利益は、平均で予想を24%上回っている。ブルームバ ーグのデータによると、500社全体の4-6月業績見通しは35%減益。

16日のニューヨーク商業取引所の原油先物8月限は前日比0.8%高 の1バレル=62.02ドルとなり、1週間ぶりの高値を付けた。ばら積み 船の国際運賃指標であるバルチック・ドライ指数は5.3%高と3連騰。 「株価の上昇で投資家のリスク許容度が上がっており、資源価格はその 動きを好感しやすい」(野村証の若生氏)状況だ。

市況高を受けて、東京市場では資源関連業種が高くなりそう。世界 最大の鉄鉱石生産会社、ブラジルのヴァーレが250億ドルで肥料の製 造・販売を手掛けるモザイクを買収する可能性があるとの報道が材料と なり、きのうの米国株では合併・買収(M&A)観測も追い風となって 資源株が高かった。

ハイテク関連にも材料

米IBMは16日、2009年通期の純利益が1株当たり9.70ドル以 上になるとの見通しを明らかにした。従来は9.20ドル以上だった。ブ ルームバーグがまとめたアナリスト予想は9.12ドル。通常取引終了後 の日本時間早朝の同社株は1.6%高で推移している。

また17日付の日本経済新聞朝刊によると、代表的な半導体メモリ ーであるパソコン用DRAMが値上がりし、大手メーカーの採算ライン に近づいてきた。半導体主要企業18銘柄で構成される米フィラデルフ ィア半導体株指数は前日比1.9%高となっており、電機株の中でも半導 体関連は見直し買いが入りやすそうだ。

このほか、日興シティグループ証券では16日付でガラス株の調査 を再開し、来年春まではガラス需要ひっ迫の継続を予想。旭硝子と日本 電気硝子の投資判断を「買い」とした。

米国株は上昇ながら、警戒も残る

米主要3指数の16日終値は、S&P500種株価指数は前日比0.9% 高の940.74、ダウ工業株30種平均は1.1%高の8711.82ドル、ナスダッ ク総合指数は1.2%高の1885.03。ニューヨーク大学のルービニ教授が 金融危機の最悪期は終わり、年内にリセッション(景気後退)が終えん を迎えると発言したことが買い材料視された。

しかしルービニ教授は、景気は後退が終わっても低水準が続くと予 想しており、東京市場では景気の先行きの厳しさが再認識され、次第に 上値を抑えられる可能性もある。

17日付の毎日新聞オンライン版などが報じたところによると、民 主党は次期衆議院選挙におけるマニフェスト(政権公約)に盛り込む主 要政策を説明した「ポイント解説集」を全候補者に配布した。今月下旬 に発表するまで、候補者が有権者に説明する際の資料に使う。

各報道では、子供手当て、高校無償化、医療改革、雇用政策、高速 道路無料化、地球温暖化対策、農業者戸別所得補償制度などがあるとし ている。日興シ証では、民主党の政策の哲学は「格差縮小」だとし、投 資対象は内需関連株や環境関連株としている。

日揮などプラント株が上昇見込み、NECは下落も

個別に材料が出ている銘柄では、みずほ証券が投資判断を新規に 「1(強い買い)」とした日揮や千代田化工建設などプラント会社が高 くなる見込み。大和総研が新規に「2(アウトパフォーム)」としたイ ーピーエスも高くなりそう。

半面、1500億円規模の資本増強を検討している、と17日付の読売 新聞朝刊が報じたNECは下落が予想される。ゴールドマン・サックス 証券が目標株価を引き下げたジーエス・ユアサ コーポレーション、メ リルリンチ日本証券が「アンダーパフォーム」へ格下げした船井電機が 安くなりそう。

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