米国株:続伸、ルービニ教授の年内リセッション終了発言で

米株式市場ではS&P500種株価 指数とダウ工業株30種平均が4日続伸。ニューヨーク大学のルービニ 教授が金融危機の最悪期は終わり、年内にリセッション(景気後退) が終えんを迎えると発言したことが買いを誘った。合併・買収(M& A)観測から資源株も高い。

肥料の製造・販売を手掛けるモザイクが12%上昇し、昨年12月以 来の大幅高。世界最大の鉄鉱石生産会社、ブラジルのヴァーレが250 億ドルで買収する可能性があるとの報道が材料となった。ルービニ教 授の発言を受けて、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)や ゼネラル・エレクトリック(GE)に買いが入り、S&P500種の産業 株指数は全10セクターで上昇率首位となった。金融危機を予想して的 中させた同教授は、景気回復を確かなものにするため、追加の景気対 策が必要になる可能性があるとも述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.9%高の940.73。ダウ工業株30 種平均は95.61ドル(1.1%)上昇の8711.82ドルで終了した。

ハイマーク・キャピタル・マネジメント(サンフランシスコ)の 最高投資責任者(CIO)、デービッド・ゲーツ氏は「市場参加者が 抱き始めている楽観的な見方はリセッションがあと数カ月で終わるか もしれないというものだ。最も弱気な人々でさえ、考えを改め始めて いる」と述べた。

金融株を中心に下げる場面もあった。商業金融のCITが破産法 に基づく会社更生手続きの適用申請を余儀なくされるとの懸念に加え、 JPモルガン・チェースがクレジットカード事業で2010年に利益が出 ることはないとの見通しを示したことが売りを誘った。

ルービニ教授

ニューヨークで開催されたチリの投資家のための会議に出席した ルービニ教授はインタビューに応じ、「米経済の急降下は止まった。 経済は今も縮小しているが、そのペースは緩やかだ」と述べた。

8日以降に4―6月(第2四半期)決算を発表したS&P500種構 成企業28社の利益は、平均で予想を24%上回っている。ブルームバー グのデータによれば、500社全体の4―6月期業績見通しは35%減益、 7―9月(第3四半期)が21%減益となっている。S&P500種は3 月9日に付けた12年ぶりの安値から39%戻している。

モザイクは12%高。エスタド・ジ・サンパウロ紙は16日、ヴァー レが250億ドルで同社を買収する可能性があると伝えた。情報源は明 らかにしていない。同紙によると、英豪系鉱山会社のBHPビリトン もモザイク買収に関心を示している。

フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドは4日 続伸。この日は5.7%高で終えた。

IT株は7連騰

S&P500種の情報技術(IT)株指数は7日続伸。2007年9月 以降で最長の上昇局面となった。デジタルカメラ向けメモリーカード 最大手のサンディスクは9.1%高。米金融経済専門局CNBCの番組 「マッド・マネー」の司会者ジム・クレーマー氏が推奨したことが買 い材料となった。同氏はモバイル・インターネット・デバイス(MI D)の需要拡大でモトローラが恩恵を受けるとみている。

CIT株は75%安の41セント。同社は発表資料で「短期的に米政 府からの追加支援が提供される明確な可能性はない」と説明した。ク レディットサイツによると、破産法の適用申請を避けるには最大60億 ドルが必要。

JPモルガンは0.4%安。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者 (CEO)は電話会見で、クレジットカード事業で2010年に利益が出 ることはないとの見通しを示した。ブルームバーグのデータによれば、 同事業は収入全体の約4分の1を占める。

36%増益も株価は上昇せず

同行の4-6月(第2四半期)決算は36%増益となり、アナリス ト予想を上回ったものの、買い材料にはならなかった。投資銀行業務 の手数料収入が過去最高を記録した。

17日に決算を発表する予定のバンク・オブ・アメリカ(BOA) は1.9%安。ダウ平均構成銘柄で下げが最もきつい。同行は6月のクレ ジットカード関連の純貸倒償却率が上昇したと発表した。S&P500種 の金融株は0.2%安。

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