米国債:反発、CIT救済遠のき需要増-10年債3.57%

米国債相場は4日ぶり反発。米 商業金融CITグループが政府からの資金支援は受けられそうにない との見方を表明したことや、フィラデルフィア連銀製造業景況指数の マイナス幅拡大を受け、国債の安全性が見直された。

10年債利回りは低下。米財務省が発表した対米証券投資統計で、 中国が5月に米国債の保有を増やしたことが示されたことも好感され た。一方、ロシアと日本、カリブ海諸国は保有を減らした。国債や株 式市場のボラティリティを示す指数はいずれも上昇した。

ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツの債 券アナリスト、ジョン・キャナバン氏は「CITの破たんの可能性で この日の相場基調が決まり、安全資産の買いにつながった」と指摘。 「経済は依然、緩やかな回復に向かっている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時16分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.57%。10年債(表面利率

3.125%、 2019年5月償還)価格は1/4上げて96 11/32。

CITは前日遅くに文書を発表し、「今後短期間に米政府から追 加支援が提供される明確な可能性はない」と明らかにした。

「順調」とは言えず

米国債の利回りは昨年末、信用市場の事実上凍結を受け過去最低 水準まで低下。世界で最も流動性の高い安全資産に資金が流入した。

米フィラデルフィア連銀がこの日発表した7月の同地区製造業景 況指数はマイナス7.5と、前月のマイナス2.2からマイナス幅が拡大 した。同指数のゼロは景気拡大と縮小の境目を示す。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「状況は依然、一部企業決算が示した ように順調とは言えない。経済は引き続き閉塞状態にある」と指摘。 その上で「ボラティリティが高い」と付け加えた。同氏は10年債利 回りが年末までに2.90%に低下すると予想する。

米国債相場の予想ボラティリティ(変動率)の指標であるメリル リンチのMOVE指数は前日までの3日間で連続上昇し151.80と、 過去2週間での最高水準となった。

一方、株式市場のボラティリティを示すVIX指数は前日3.5% 上昇と、5日ぶりに上昇に転じた。

「非常にぜい弱」

米財務省がこの日発表した5月の対米証券投資統計によると、中 国は中長期の米国債保有を380億ドル増やした。外国の政府と投資 家の中長期金融資産取引額は外国人からみて198億ドルの売り越し。 前月は115億ドルの買い越しだった。財務省短期証券(TB)や株 式スワップなど短期資産を含む金融資産の合計では666億ドルの売 り越し。前月は380億ドルの売り越しだった。

セージ・アドバイザー・サービシズのパートナー、マーク・マッ クイーン氏は「米国債への需要が国際的に低下している事実は、巨額 の借り入れを必要とする米国が非常に弱い立場にあるという認識を補 強する」と指摘。「中国が保有を増やしたことには励まされるが、今 後必要ならば中国には別の選択ができることも事実だ」と述べた。

経済再建や前例のない規模の財政赤字の立て直しに向け国債発行 が記録的水準となるなか、オバマ米大統領は中国を含めた海外投資家 への依存を高めている。

米政府の今年上期の国債入札規模は9630億ドル。バークレイズによ ると、下期の規模は08年通期の実績を上回る1兆1000億ドルに拡大す る可能性がある。

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