今日の国内市況:日本株は上昇、債券小幅安-円反発、米CIT懸念

東京株式相場は上昇。世界の景気 や企業業績が懸念されていたほど悪くないとの見方が広がり、輸出や資 源関連株中心に買われた。特に上昇率が大きくなった卸売や非鉄金属な ど資源関連は、国際商品市況の上昇や中国の経済指標も追い風。

日経平均株価の終値は前日比74円91銭(0.8%)高の9344円16 銭と続伸、TOPIXは5.88ポイント(0.7%)高の872.25と反発し た。

米企業業績や製造業に関する経済統計に底堅さが見られたほか、15 日の欧米、新興国など世界的株高の流れを好感、日経平均は一時220円 高の9489円と心理的な節目の9500円に接近する場面もあった。

ただ午後は、米国の商業金融CITグループの経営警戒や国内政局 動向への見極め姿勢も加わり、株価指数の上げ幅は徐々に縮小した。東 証1部の売買高は概算で22億7806万株、売買代金は同1兆3897億円。 業種別33指数では値上がり24、値下がり9。値上がり銘柄数は965、 値下がりは587だった。

企業決算がアナリスト予想を上回るとの観測で世界的に株価が上昇 しており、きのうの海外市場では米国株は3%前後の上昇率を記録。安 全資産への需要後退が外国為替市場では円売りにつながったほか、ニュ ーヨーク原油先物相場など国際商品市況も上昇した。

投資家のリスク許容度を計る指標として注目されるシカゴオプショ ン取引所のボラティティ指数(VIX)は15日、日中ベースで23.83 と年初来最低水準を付けた。

また、中国国家統計局は16日、今年4-6月の中国の国内総生産 (GDP)伸び率が前年同期比7.9%となったと発表した。記録的な銀 行融資や投資急増を受け、ほぼ10年ぶりの低成長から回復。中国でマ クロ指標が改善傾向にあることも同国経済と密接な資源や素材、機械、 輸出関連を中心に日本株相場を支援した。

債券小幅安、5年入札は順調

債券相場は小幅安(利回りは上昇)。前日の米国債相場が続落した ことを受けて売りが先行したが、午後に発表された5年債入札結果が順 調だったことに加えて、株式相場が伸び悩んだことから下げ渋った。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比26銭安の138円38銭で 始まった。直後に売りが膨らむと一時42銭安の138円22銭に下落し、 2日以来の安値をつけた。午後に入って、5年債入札結果を好感して買 いが入ると、2銭安まで下げ幅を縮小した。結局、5銭安の138円59 銭で終了した。日中売買高は3兆1246億円。

日経平均株価は一時、200円超の大幅高となったものの、午後に入 ると上げ幅を縮小し、前日比74円91銭高の9344円16銭で引けた。米 経済指標の改善や企業決算を受けて買われたが、米金融機関破たんに対 する警戒感から伸び悩んだ。米経済専門局CNBCは16日、米商業金 融CITグループが17日に連邦破産法11条の適用を申請するだろうと 伝えた。

朝方は、前日の米国債相場が3日続落となったことを受けて売りが 先行した。現物債市場で新発10年物の302回債利回りは、前日比1.5 ベーシスポイント(bp)高い1.35%で取引開始。その後、若干水準を 切り上げ、2bp高い1.355%まで上昇した。しかし、同水準では投資家 の需要が強く、徐々に水準を切り下げ、午後3時13分時点では前日比 変わらずの1.335%で推移している。

前回入札された5年物の83回債利回りは一時2.5bp高い0.7%をつ けた後、入札結果を好感して、徐々に水準を切り下げ、0.5bp低い

0.67%に低下した。

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.7%の5年利付国 債(84回債、7月発行)の入札結果は、最低落札価格100円2銭、平 均落札価格は100円4銭となった。

最低価格は事前の市場予想(100円1銭)を上回り、最低と平均価 格の格差(テール)は前回債の2銭から横ばい。一方、応札倍率は

3.31倍となり、前回債の3.09倍から上昇した。

円反発

東京外国為替市場では円が反発。米商業金融CITグループの破た ん懸念から投資家のリスク許容度が低下するとの思惑から、資源国通貨 や相対的に金利の高い通貨から円に資金を戻す動きが優勢となった。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で今月7日以来となる1ユーロ= 133円40銭まで円安が進んだが、この日の東京市場では一時、131円85 銭まで円の買い戻しが進行。ドル・円相場も海外市場で付けた同8日以 来の円安値、1ドル=94円46銭を抜けられず、午後には93円73銭ま で値を戻す場面が見られた。

一方、朝方発表された中国の4-6月(第2四半期)の国内総生産 (GDP)伸び率は前年同期比7.9%と、市場予想をわずかながら上回 ったものの、事前に伝わった中国紙報道と一致したため、目立った反応 は見られなかった。

米経済専門局CNBCは16日、CITグループが17日に連邦破産 法11条の適用を申請する見通しだと伝えた。CITは15日に米連邦政 府から恐らく追加支援を得られないだろうとし、アドバイザーと他の選 択肢を検討していることを明らかにしていた。

米金融不安の再燃懸念から為替市場では高金利通貨を売り、超低金 利の円を買い戻す動きが活発化した。

また、円と並ぶ超低金利のドルにも買い戻し圧力がかかり、対ユー ロでは1ユーロ=1.41ドル台前半から1.40ドル台後半までドル買いが 進んだ。

米国ではこの日、JPモルガン・チェースやグーグル、IBMの決 算が発表される。また、先週分の新規失業保険申請件数や7月の住宅市 場指数も発表される予定で、強めの内容となれば、海外市場で再び「株 高・円安」の流れが再び強まる展開も予想される。

前日には半導体の米インテルの決算内容や予想を上回る米経済指標 を好感し、欧米株が大幅続伸。16日の東京株式相場も上昇したが、午 後にはCITの経営不安などから上げ幅を縮小している。

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