債券相場は小幅安、米債続落が重し-5年入札順調で午後に下げ幅縮小

債券相場は小幅安(利回りは上 昇)。前日の米国債相場が続落したことを受けて売りが先行したが、午 後に発表された5年債入札結果が順調だったことに加えて、株式相場が 伸び悩んだことから下げ渋った。

損保ジャパン・アセットマネジメント運用部課長の平松伸仁氏は、 「米経済指標やインテルなどの好決算を受けて、6月半ばからの金利低 下の動きが反転した。10年債が1.2%台まで下げていたので水準感から も切り返した」と指摘。一方、CITグループの懸念で金融不安は解消 されていないとし、「株価が伸び悩んで債券は下げ幅を縮小した」とも 述べた。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比26銭安の138円38銭で 始まった。直後に売りが膨らむと一時42銭安の138円22銭まで下落し、 2日以来の安値をつけた。午後に入って、5年債入札結果を好感して買 いが入ると、2銭安まで下げ幅を縮小した。結局、5銭安の138円59 銭で終了した。日中売買高は3兆1246億円。

日経平均株価は一時、200円超の大幅高となったものの、午後に入 ると上げ幅を縮小し、前日比74円91銭高の9344円16銭で引けた。米 経済指標の改善や企業決算を受けて買われたが、米金融機関破たんに対 する警戒感から伸び悩んだ。米経済専門局CNBCは16日、米商業金 融CITグループが17日に連邦破産法11条の適用を申請するだろうと 伝えた。

朝方は、前日の米国債相場が3日続落となったことを受けて売りが 先行した。みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジスト はこうした海外市場の動向に加えて、「きょうは5年債入札もあるので 相場に下押し圧力がかかった」と説明していた。

新発10年債利回りは一時1.355%

現物債市場で新発10年物の302回債利回りは、前日比1.5ベーシ スポイント(bp)高い1.35%で取引開始。その後、若干水準を切り上 げ、2bp高い1.355%まで上昇した。しかし、同水準では投資家の需要 が強く、徐々に水準を切り下げ、前日比変わらずの1.335%をつけた。 午後4時1分時点では0.5bp高い1.34%で推移している。

大和住銀投信投資顧問の横山英士債券運用部ファンドマネジャーは 「10年債利回りが1.3%を超えてくると金余りの投資家が浮き足だつよ うだ。1.35%がめどで、水準的には良いところだと思う。5年債入札が 終って買いを入れてきた。入札はどちらかと言うと良い結果だった」と 述べた。

前回入札された5年物の83回債利回りは一時2.5bp高い0.7%をつ けた後、入札結果を好感して、徐々に水準を切り下げ、0.5bp低い

0.67%まで低下した。その後は0.675%で推移している。

半面、超長期債が軟調。新発20年債利回りは一時2.5bp高い

2.05%、新発30年債利回りは2bp高い2.2%まで上昇した。

平松氏によると、「短期ゾーンは金融政策で利上げが見込みづらい ことから売られない。半面、財政リスクや需給悪化などで長いゾーンが 売られやすい」という。

入札順調、需要確認との見方

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.7%の5年利付国 債(84回債、7月発行)の入札結果は、最低落札価格100円2銭、平 均落札価格は100円4銭となった。

最低価格は事前の市場予想(100円1銭)を上回り、最低と平均価 格の格差(テール)は前回債の2銭から横ばい。一方、応札倍率は

3.31倍となり、前回債の3.09倍から上昇した。

ドイツ証券チーフ金利ストラテジストの山下周氏は、「入札結果が 良かった。ある程度需要があるとみている。下値での需要が確認され た」という。

日本相互証券によると、この日入札された5年債(84回債)の利 回りは、業者間市場において、0.695%で寄り付いた。その後は0.675% まで買い進まれ、その後は0.675%で推移している。

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