7月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円がユーロに対して下落。約1カ 月ぶりの大幅安となった。ドルも対ユーロで下げた。企業決算がアナ リスト予想を上回るとの観測で世界的に株価が上昇、安全資産への需 要が後退した。

主要通貨のうち、円とドルがユーロに対して特に大きく下落した。 企業決算では前日のゴールドマン・サックス・グループの四半期業績 に続き、半導体の米インテルの売上高見通しがアナリスト予想を上回 った。カナダ・ドルは原油やその他商品相場の上昇を背景に買いが膨 らみ、対米ドルで1カ月ぶりの高値に上昇した。

MFCグローバル・インベストメント・マネジメントのマネーマ ネージャー、ジャック・アイル氏(ボストン在勤)は、「リスクの高 い取引の好調は継続性が高い。リスク環境の改善はドルにとっては悪 材料だ。トレーダーは前向きなニュースを材料視している」と語った。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、円は対ユーロで下落、1 ユーロ=132円97銭(前営業日は同130円62銭)。円は一時、最大

2.1%安まで売り込まれた。ドルはユーロに対して1%安の1ユーロ =1.4107ドル。前日は1ユーロ=1.3967ドルだった。円はドルに対 して0.8%安の1ドル=94円25銭。前日は93円50銭だった。

国際通貨基金(IMF)はこの日発表した報告書で、日本に対し、 世界的な需要回復が不十分な場合には、景気刺激策を追加導入できる よう体制を整える必要があると指摘した。

インプライドボラティリティ

JPモルガン・チェースによると、主要通貨に対するオプション のインプライドボラティリティ(IV、予想変動率)は13.59%、3 日連続で低下した。ボラティリティの低下は為替の変動幅が縮小する 可能性を示唆する。為替変動は高利回り資産への投資利益を損ねると みられている。

BNPパリバ・セキュリティーズの通貨ストラテジスト、セバス チャン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は、長期的なIV低下を見 込んだ投資が今のところ為替市場では「最も有望」だと指摘した。

豪ドル・円の1年物IVは25.78%と、昨年末の28.25%から低 下した。この間、株式市場のボラティリティを示すVIX指数は40 から24.05に低下した。

ドルは南アフリカ・ランドに対しては1.9%下落して、1ドル=

8.103ランド、円は対豪ドルで2.3%安の1豪ドル=75円87銭とな っている。

南アフリカの政策金利は7.5%、オーストラリアは同3%。これ に対し、米国は実質ゼロ、日本は0.1%となっている。

ガイトナー長官の発言

中東を歴訪中のガイトナー米財務長官は15日、アラブ首長国連 邦(UAE)の衛星テレビ、アルアラビーヤのインタビューに応じ、 オバマ政権は強いドルを支持すると述べ、ドルが世界の中心的な準備 通貨として存続することを確信していると表明した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が15日公表した連邦公開市場 委員会(FOMC、6月23-24日開催)の議事録によると、委員会 は資産購入の規模拡大を見送ったものの、大部分のメンバーは米経済 がさらなる打撃を被るリスクに直面していると判断した。

◎米国株式市場

米株式相場は大幅続伸。ダウ工業株30種平均は3カ月ぶりの大 幅高となった。インテルの売上高見通しが市場予想を上回り、買いを 誘った。ニューヨーク連銀地区の製造業景況指数が改善したことも支 援材料。

インテルは7.3%上昇と、3月以来の大幅高。同社は需要増を見 込んだコンピューターメーカーからの受注が増えていることを明らか にした。ニューヨーク連銀指数に加え、鉱工業生産指数も予想を上回 り、景気回復見通しが強まった。これを背景にゼネラル・エレクトリ ック(GE)やキャタピラーなどにも買いが入った。クレジットカー ドの貸倒償却率が予想を下回るとの見通しを示したアメリカン・エキ スプレス(アメックス)は11%高。

S&P500種株価指数は前日比3%高の932.68。過去3日間の上 昇率は3月以来で最大。ダウ工業株30種平均は256.72ドル (3.1%)上昇の8616.21ドルと、1カ月ぶりの高値で終了した。先 進23カ国の株式で構成するMSCI世界指数の上昇率は4月9日以 来で最大となる2.8%。

チェマング・キャナル・トラスト(ニューヨーク州エルマイラ) のシニア投資責任者、トム・ワース氏は「インテルの決算が買いの原 動力になったことは間違いない。すでに底入れし、状況は徐々に回復 するとの楽観的な見方が強まりそうだ」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が15日公表した連邦公開市場 委員会(FOMC、6月23-24日開催)の議事録で、今年第4四半 期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で1.5%減-1.0%減と、 前回4月の見通し(2.0%減-1.3%減)から上方修正された。主な株 価指数は上げ幅を拡大。ダウ平均とS&P500種はともに6月12日 以来の高水準を付けた。

S&P500種は3月9日に付けた12年ぶりの安値から38%戻し ている。景気後退のペースが緩やかになってきたとの思惑が背景。S &P500種はこの日、8営業日ぶりに50日移動平均を上回った。

ブルームバーグが集計したデータによると、8日以降に4―6月 (第2四半期)決算を発表したS&P500種構成企業16社の利益は、 平均で予想を20%上回っている。アナリストの500社全社の予想は 4―6月期が35%減益、7―9月(第3四半期)が21%減益となって いる。

ナイト・エクイティ・マーケッツの機関投資家向けセールス部門 のマネジングディレクター、ピーター・ケニー氏は「この決算発表シ ーズン中に上昇トレンドに入ることが期待されているようだ」と指摘。 「世界的に有力なインテルとゴールドマン・サックスが好調な決算を 発表し、予想を上回ったことが相場に推進力を与えている」と述べた。

ハイテク株

インテルは7.3%高の18.05ドルと、昨年10月以来の高水準。 同社は7-9月(第3四半期)の売上高が最大89億ドルになるとの 見通しを示した。アナリスト予想平均は78億6000万ドル。来週、決 算を発表するマイクロソフトは4.4%高。

S&P500種の情報技術(IT)株指数は4.2%高と、相場全体 をけん引した。年初からの上昇率は28%と、全10セクター中で最も 高い。

アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は8.7%上昇。 5月4日以来で最大の上げとなった。

シティグループが買いを推奨したシスコシステムズは5.8%高。 「景気回復の初期段階ではシスコ株はほかの銘柄よりも堅調になる」 との見方が理由。

プログラマブル論理回路(PLD)メーカー2位のアルテラが発 表した決算は、一部項目を除くベースで利益がアナリスト予想を 23%上回った。株価は4.2%高。

ニューヨーク連銀が発表した7月の同地区の製造業景況指数はマ イナス0.6と、前月のマイナス9.4から大幅に改善、2008年4月以 降では最小のマイナス幅となった。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の中央値はマイナス5だった。同指数ではゼロ が景況の拡大と縮小の境目を示す。S&P500種の産業株指数はこの 統計を好感し、3.4%上昇した。

金融株

S&P500種の金融株は4.1%高と、全10セクターで上昇率は2 位。アメックスは11%高。3月6日に付けた14年ぶり安値から3倍 超となった。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)では商業金融CITグルー プ株の売買が停止となった。当局による同社救済発表が近いとの憶測 が理由。

資源株

エクソンは3.4%上昇。S&P500種のエネルギー株指数は

3.5%上昇し、6月1日以来の大幅高となった。在庫統計で原油在庫 が予想以上に減少したことを受け、原油相場が大幅に上昇したことが 背景。

アルミ大手のアルコアは5.7%高。フリーポート・マクモラン・ カッパー・アンド・ゴールドも5.7%上昇した。

◎米国債市場

米国債相場は3日続落。ダウ工業株30種平均が4月以来の大幅 高となったことに加え、6月の米国鉱工業生産指数の低下率が過去8 カ月間で最小となったことを受け、国債の相対的な安全性に対する需 要が減退した。

10年債利回りは一時、約2週間ぶりの高水準まで上昇。住宅ロ ーンに関連したヘッジを促した。6月の米消費者物価指数(CPI、 季節調整済み)は前月比0.7%上昇と市場予想を上回る伸びを示した 上、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数の減速ペースが過去1年 以上で最も緩やかだったことが背景。

モルガン・スタンレーの米金利ストラテジー責任者、ジェーム ズ・キャロン氏(ニューヨーク在勤)は「現在の安定した低金利環境 で株が上昇基調を見せ始めると、安全資産の必要性は減る」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時33分現在、10年債利回りは前日比13ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.61%。一時は3.63%まで 上げる場面もあった。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償 還)価格は1 2/32下落の96 1/32。

10年債と2年債の利回り格差は過去6週間で最大の2.60ポイン トに拡大した。

住宅ローン金利

10年債利回りの上昇は住宅ローン金利の押し上げにつながり、 金利上昇のヘッジ目的に保有していた国債の売りを促す。

住宅ローン金利が上昇すると、潜在的なローンの借り換え需要が 減少するため、投資家が保有する住宅ローン担保証券のデュレーショ ン(平均回収期間)は想定以上に長期化する。

RBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、アイラ・ジ ャージー氏は「この日の最終的な国債下落は、住宅ローン担保証券市 場でポートフォリオの調整が進んだことが要因」と述べた。

FOMCの議事録によると、資産購入の規模拡大を見送ったもの の、大部分のメンバーは米経済がさらなる打撃を被るリスクに直面し ていると判断。また政府の景気浮揚策による家計への一時的な支援効 果が弱まれば消費支出が引き続き低迷すると懸念を表明した。

「楽観」なき図式

ジャージー氏はさらに議事録について、「経済に対する楽観的な 見方は全く示されていない。しかし、前回会合よりも幾分経済状況の 改善が映し出された」と指摘。

FRBがこの日に発表した6月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱 業、公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年=100)は前月比

0.4%低下と、低下率は過去8カ月間で最小。5月は1.2%低下し、 速報値の1.1%低下から下方修正された。ニューヨーク連銀が発表し た7月の同地区の製造業景況指数はマイナス0.6と、08年4月以降 で最小のマイナス幅となった。

米労働省が発表した6月の米消費者物価指数(CPI、季節調整 済み)は前月比0.7%上昇。エネルギー価格が全体の上昇をけん引し た。前年同月比では1.4%の低下だった。

フェデレーテッド・インベストメント・マネジメントの国債・M BS担当共同責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は「この日の経済 指標の数値は弱い景気回復を示唆している」と指摘。われわれは「引 き続き新芽の立ち枯れ、あるいは新芽の成長観測の間を行ったり来た りすることになるだろう」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。ドルが下げ、原油が上昇するな か、インフレヘッジとしての金需要が膨らみ、約2カ月ぶりの大幅高 となった。

米労働省が発表した6月の米消費者物価指数(CPI)は前月比

0.7%上昇と、前月の0.5%上昇から伸びが加速。上昇率は昨年7月 以来で最大となった。ガソリン価格の17%上昇が寄与した。この日 の商品市場では原油先物も上昇した。原油はインフレ見通しの指針と してとらえられることもある。主要6通貨のバスケットに対するIC Eのドル指数は一時1.1%下げた。金とドルは反対方向に動く傾向が ある。

リッチコム・グローバル・サービシズのアナリスト、プラディー プ・アンニ氏(ドバイ在勤)は15日付リポートで、「金は着実に上 昇している。最近のドル安と原油の上昇も金にプラスとなっている」 と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場8月限は前日比16.60セント(1.8%)高の1オンス=939.40ド ルで取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油相場は大幅反発し、過去6週間で最大の上昇と なった。米エネルギー省が発表した週間在庫統計で、製油所の稼働率 上昇に伴い原油在庫が予想以上に減少したことが明らかになり、買い が膨らんだ。

同統計によると、先週の原油在庫は281万バレル減少した3億 4450万バレル。ブルームバーグ・ニュースが実施した予想中央値は 210万バレルの減少だった。製油所の稼働率は87.9%と8月以来の高 水準。株式相場の上昇で、景気の先行きに対する楽観が広がったこと も、原油相場の支援材料となった。

コンフランス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「この 日の相場上昇の大きな理由は株式と原油相場の相関関係だ」と指摘。 「原油在庫の減少幅は市場予想を若干超えていた。企業決算は予想よ りも好調で、それが株と原油を押し上げている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比2.02ドル(3.39%)高の1バレル=61.54ドルで終了した。一時 は同2.46ドル上昇する場面もあった。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。ダウ欧州600指数は6週間ぶりの大幅高と なった。米半導体メーカーのインテルと、オランダの半導体製造装置 メーカー、ASMLホールディングの売上高見通しが業績低迷の最悪 期が過ぎたことを示唆したことが材料となった。

ASMLが上げたほか、欧州最大の半導体メーカー、STマイク ロエレクトロニクスも高い。インテルの売上高見通しがアナリスト予 想を上回ったことを好感した。銅相場が1カ月ぶり高値となったほか、 鉄鉱石の生産見通しを据え置いたことを受け、英豪系鉱山会社リオ・ ティントは4.2%上昇。

ダウ欧州600指数は前日比2.7%高の209.08と、今月1日以来 で最大の値上がりとなった。ゴールドマン・サックス・グループなど の米企業が発表した4-6月期の利益がアナリスト予想を上回ったこ とから、同指数は週初から6%上昇した。6月11日の水準からは依 然として2.7%安となっている。

アビバ・インベスターズ(ロンドン)の欧州株式責任者、ジョ ン・ボサム氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「インテルは景気の底入れと回復兆候を示唆している」と述べた。さ らに「株式の先行きは明るい。安定化してきたのは明白で、これは最 終需要が主導している」と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、S&P500種株価指 数の構成銘柄でこれまでに決算を発表した16社は平均で12%減益と なった。企業利益は昨年10-12月(第4四半期)に56%減少し、1 -3月(第1四半期)は32%減だった。

15日の西欧市場では、18カ国すべてで主要株価指数が上昇。ダ ウ・ユーロ50種株価指数は前日比3.4%高、ダウ・欧州50種株価指 数は2.8%上げた。

STマイクロは7.3%高、ASMLは4.7%上げた。ASMLは 7-9月期売上高が約4億5000万ユーロと、前四半期の2億7700万 ユーロから増加するとの見通しを示した。顧客がより小型の半導体製 造を可能とする機械への投資を再開したことが要因。

フランスの固定電話ネットワーク大手、アルカテル・ルーセント は11%の大幅高。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が売られ過ぎ を理由に、同銘柄の投資判断を「買い」に引き上げたことがきっかけ。

◎欧州債券市場

欧州債相場は3日続落。ユーロ圏のインフレ率が上昇し、米ニュ ーヨーク地区の製造業景況指数がここ1年で最小のマイナス幅となっ たことを受け、景気悪化に緩和の兆候が示されたことが背景にある。 株式相場の上昇も国債の売り材料だった。

この日のMSCI世界指数は2%余り上昇し、ドイツ10年債利 回りは約1週間ぶりの高水準に近づいた。欧州連合(EU)統計局 (ユーロスタット)が同日発表した6月のユーロ圏消費者物価は前月 比0.2%上昇し、インフレ率は前月の0.1%を上回った。米ニューヨ ーク連銀が発表した7月の同地区の製造業景況指数は2008年4月以 来で最小のマイナス幅に改善した。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ペーター・ミューラー氏 (フランクフルト在勤)は「国債市場では経済データが予想されたほ ど悪くないとの認識が広がった。株価も回復した」と語った。

ロンドン時間午後4時14分現在、10年債利回りは前日比6ベー シスポイント(bp、1bp=0.01)上昇し3.36%。同国債(表面 利率3.5%、2019年7月償還)は0.49ポイント下げ101.15。3日続 落は5月28日以降で最長の下げ。2年債利回りは前日比3bp上げ

1.27%となった。

◎英国債市場

英国債相場は下落。英政府統計局(ONS)がこの日発表した6 月の失業統計(季節調整済み)によると、失業者数は前月比2万 3800人増の156万人となった。増加幅は1年ぶりの最小で、景気後 退の最悪期を脱したとの見方が広がった。

10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上げて3.8%。同国債(表面利率4.5%、2019年償還)価格 は0.52ポイント下げ105.60。2年債利回りは5bp上昇の1.17%。

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