ロシアの富豪、米不動産市場に戻る-価格下落とルーブル高が追い風

不動産専門の弁護士、エドワード・ マーメルスタイン氏(41)によれば、ロシアの資産家が米不動産市場 に戻りつつある。差し押さえ物件が売り出されていることやルーブル の対ドルでの上昇が誘因だという。

「現在の米国市場について多くの人が買い得とみている」と指摘 する同氏は2007年以来、ロシアの購入希望者向けに約300件の不動産 取引に携わってきた。

マーメルスタイン氏は最近3カ月で、ロシアや中央アジアの顧客 のためにニューヨークやマイアミで、住宅・商業用物件2件の購入手 続きを完了し、さらに20件の購入を申し込んだ。今年1月には成約も 申し込みもなかったという。

ニューユークのマンハッタンでは、09年4-6月(第2四半期) の集合住宅賃貸料が02年以来で初めて低下。米証券のリーマン・ブラ ザーズ・ホールディングス破たんやベアー・スターンズ身売りの影響 が、米都市部で最も高価な住宅市場にも及んでいる。ロシアの通貨、 ルーブルはドルに対し、2月17日に付けた年初来安値から約13%上 昇しており、対ポンドでは、2月6日の安値から4%上げている。

マーメルスタイン氏は事務所があるモスクワでインタビューに応 じ、米国の売り手は07年のピークから30-40%値下げしていると指 摘。「不動産取引はこの3カ月間で突然増加した」と語った。同氏が米 国での不動産探しを手伝っている15人程度のロシア人の半数以上が 新規顧客だという。

同氏は「現在の原油相場はバレル当たり約70ドルと、やや安心 できる水準で落ち着いている」と述べた。4月以降のニューヨーク原 油相場は平均60.14ドルで、高値は6月11日の72.68ドル。フォーブ ズ誌によると、昨年の商品・株式相場の落ち込みで、ロシアの「ゴー ルデン・ハンドレッド」と呼ばれる富豪上位100人は合わせて3800 億ドル(約36兆円)相当の資産を失った。

高額物件が不振、復調の兆しも

不動産ブローカーのブラウン・ハリス・スティーブンスによれば、 価格が1000万ドルを超えるマンハッタンの集合住宅の売買成約件数 はこの1年間で82%減少し、コーポラティブハウス(住民が管理・運 営に参加する集合住宅)の平均価格は08年4-6月期から29%低下 した。不動産サイトのストリートイージー・ドットコムによれば、今 年4-6月期の売り出し物件の約32%が当初の売却希望価格からの 値下げ物件だった。

マーメルスタイン氏は先月、100万ドルと380万ドルのニューヨ ークの物件の売買契約を終え、同市とニュージャージー州の2500万ド ルと5000万ドルの商業用物件の入札に参加した。顧客の身元は開示し ていない。

同氏は「向こう半年から1年間に、価格と格調という点で必ず人 目を引くような物件の取引がある程度出てくるだろう」と予想してい る。

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