円が対ユーロで一段安、アジア株ほぼ全面高でリスク許容度の改善期待

東京外国為替市場では、円が午後 の取引でユーロに対して下げ幅を拡大する展開となった。一部米企業の 決算好調を背景に、アジアの株式市場がほぼ全面高となっているほか、 米国の株価指数先物がプラスで推移していることから、比較的金利の高 い通貨に対して円の売り圧力が強まった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の時田剛調査役は、米企業の決 算に対して先週まで悲観的な見方があったが、前日に発表された決算内 容を受けて懸念が薄れた感があると指摘。欧米の株価は一部ハイテク企 業の好決算を消化しておらず、海外の株が上昇して開始するタイミング で「もう一度円が売られる局面もあり得る」とみている。

この日は比較的金利の高いオーストラリア・ドルを中心としたクロ ス・円(ドル以外の通貨と円の取引)で円売りが先行。ユーロ・円相場 は午前の取引でいったん1ユーロ=130円96銭まで円が下落した。そ の後は、やや下げ渋りの展開が続いていたが、午後の取引終盤で再び円 売り圧力が強まり、一時131円40銭と、5営業日ぶりの円安値を付け ている。

一方、ドル・円相場は高利回り通貨に対して低金利のドルと円の売 りが交錯する格好となり、午前に一時1ドル=93円66銭まで円が下 落したものの、午後の取引では93円26銭までドル安・円高が進んで いる。

海外株高に期待感

米金融大手ゴールドマン・サックス・グループが14日に発表した 4-6月期決算は、純利益が1株当たり4.93ドルと、ブルームバー グ・ニュースがまとめた市場予想の同3.65ドルを上回った。

前日の米株式相場はプラスを維持して取引を終了。株価の予想変動 率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリテ ィ指数(VIX指数)は昨年9月以来の水準まで低下している。

米株式市場の取引終了後に半導体メーカー世界最大手のインテルが 発表した7-9月の売上高と利益率見通しが市場予想を上回ったことを 受けて、株価指数先物がプラスで推移しており、海外市場での株高が期 待される。

このため、投資避難的なドル買いの動きが鈍化。ユーロ・ドル相場 はこの日の東京市場で一時1ユーロ=1.4070ドルと、4営業日ぶりの ドル安値を付けている。

慎重姿勢くすぶる

一方で、この日の米国時間には企業決算のほか、先月23、24日に 開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録や鉱工業生産など の経済指標も発表される。

新生銀行キャピタル・マーケッツ部のキム・カンジャ次長は、週内 に発表される米金融大手の決算発表が引き続き注目材料になるとしたう えで、結果を受けた株価動向が焦点になると指摘。一部大手金融機関の 好決算を受けて期待が先行していることから、「予想よりも悪い結果に なれば、米国の経済状況はあまりよくないという見方が戻る」として、 株価が下落すれば、高利回り通貨から円に資金を戻す動きが促されると 予想している。

また、米国の週間在庫統計も発表されるが、ブルームバーグ・ニュ ースがまとめた市場予想では、ガソリン在庫は5週連続の増加が見込ま れている。前日のニューヨーク原油先物相場は需給の悪化懸念から続落 しており、リスク資産向け投資に慎重な姿勢がくすぶっている面もあ る。

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