衆院選中の日経平均は9勝1敗、投票後は4勝6敗と明暗-三菱U証

衆議院が解散、総選挙に突入した 際の日経平均株価の動向を見ると、解散から投票までの選挙期間は過去 10回のうち、上昇(勝)が9回に達した。半面、選挙終了直後は上昇 が4回にとどまり、下落(敗)が6回と明暗が分かれる。

三菱UFJ証券では、1979年の大平正芳首相(当時、以下同じ) による「増税解散」から2005年の小泉純一郎首相による「郵政解散」 まで、直近10回の総選挙における解散日終値から投票日までの日経平 均の騰落状況を調べた。これによると上昇は9回、下落は03年のわず か1回で、10回の平均パフォーマンスはプラス2.5%になった。

同証の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、「解散前は上下それ ぞれ動きは出るが、約1カ月程度の選挙期間中はボックス圏で推移し、 結果的に底堅い傾向がある」と指摘する。

一方、投票から20日後の日経平均動向を検証すると、上昇ケース は4回、下落6回と、選挙期間中と異なり高安まちまちになる。日本の 株式市場は政治の影響をもともと受けにくいとする鮎貝氏だが、投票直 後という限定された期間に関しては、「選挙後の政権の基盤が強いかど うかによって、上下どちらかに大きく振れている」と言う。

代表的な上昇相場は、83年の中曽根康弘首相による「田中判決解 散」のプラス5.6%、05年の郵政解散のプラス6.1%。83年の場合、自 民党は過半数割れとなり、当時の新自由クラブと閣内連立を組む事態に なったものの、首相の党内基盤は強固となった。05年は自民党の圧倒 的勝利で、国会運営の主導権を取れる絶対安定多数を確保している。

下落の裏に党内基盤、マニフェスト

投票後に下げた代表的なケースは、90年の海部俊樹首相による解 散時。党内基盤のぜい弱さにバブル経済崩壊も重なり、マイナス

12.9%と急落した。国政選挙で初めてマニフェストが掲げられた03年 の小泉首相による「マニフェスト解散」では、民主党躍進を受けてマイ ナス5.5%となった。

鮎貝氏は過去の傾向に照らし、今回は総選挙後に下落する可能性が あると予想。仮に民主党が選挙に勝っても、絶対安定多数には届かない だろうとし、「自民党と公明党が有力な野党に転じることを考えると、 政権運営は相当難しい」との見方を示している。

【過去10回の総選挙による株価変動】
  年  解散時首相  選挙期間中の騰落率  選挙後の騰落率
①1979  大平正芳      2.1%        -2.0%
②1980  大平正芳      2.7%        -0.3%
③1983  中曽根康弘     2.9%        5.6%
④1986  中曽根康弘     5.1%        1.2%
⑤1990  海部俊樹      1.9%        -12.9%
⑥1993  宮沢喜一      2.7%        2.0%
⑦1996  橋本龍太郎     0.3%        -3.8%
⑧2000  森喜朗       1.0%        -2.5%
⑨2003  小泉純一郎     -1.5%        -5.5%
⑩2005  小泉純一郎     7.8%        6.1%
(データ出所は三菱UFJ証券)
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