7月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円とドルがオーストラリア・ドル やブラジル・レアルなどの高利回り通貨に対して下落。米ゴールドマ ン・サックス・グループの発表した四半期決算で利益がアナリスト予 想を上回ったほか、6月の米小売売上高が前月比で増加したことが背 景にある。

円はユーロとドルに対しては方向感の定まらない動きとなった。 前日の市場では、ゴールドマン決算への期待で円は対ユーロ、対ドル で下げていた。カナダ・ドルはこの日、対米ドルで約3週間ぶり高値 に上昇。相場が節目となる水準を突破し、同水準に設定されていた米 ドル売り注文が発動した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、メグ・ ブラウン氏(ニューヨーク在勤)は「市場にまだ迷いがみられるのは、 この先もまだ決算発表が予定されており、ゴールドマンは特に好調が 予想される企業の一つだったからだ。状況は良くなっている。最悪期 を脱したとは限らないが、状況が改善しているのは確かだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時9分現在、円は対ドルで0.3%安の1 ドル=93円27銭。前日は92円97銭だった。円は対ユーロで0.2% 上昇して、1ユーロ=129円72銭(前日は129円95銭)。ユーロは 対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.3936ドル(前日は1.3978ドル)。 円は対豪ドルで1.1%下げて1豪ドル=73円61銭。ドルは対ブラジ ル・レアルで0.4%安の1ドル=1.9705レアル。

小売売上高

米商務省が発表した6月の小売売上高(速報)は季節調整済みで 前月比0.6%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想の中央値(0.4%増)を上回った。

ガイトナー米財務長官は14日、サウジアラビアで講演し、米政 府の金融政策と米連邦準備制度理事会(FRB)の政策は「強いド ル」の支持で一致していると述べ、財政赤字の縮小への「固い決意」 を表明した。

カナダ・ドルは米ドルに対して最大1.3%値上がりし、1ドル=

1.1353カナダ・ドルと、6月22日以来の水準に上昇した。カナダ・ ドルは、過去1カ月の下降トレンドラインに位置する水準を上抜ける と、一段と買いが膨らんだ。

1カ月物ユーロ・ドルオプションのインプライドボラティリティ (IV、予想変動率)はこの日、11.80%に低下し、米リーマン・ブ ラザーズ・ホールディングスが破たんした昨年9月以来の低水準を記 録した。

英ポンド

英ポンドは対ドルで0.3%上昇して1ポンド=1.6274ドル。対ユ ーロでは0.6%高の1ユーロ=85円62銭だった。

英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)が不動産業者や鑑定士 を対象に6月に実施した調査では、住宅市場の改善が示された。

ニュージーランド(NZ)ドルは円に対して続伸。0.8%高の1 NZドル=59円23銭だった。NZ準備銀行(中央銀行)のボラード 総裁は14日、国内経済は他の大半の貿易相手国よりも早く回復し始 める公算が大きいとの見解を示した。

ボラード総裁はネーピアでの講演で、「金融市場の地合いがさら に改善し、再びリスクを取る動きが復活すれば、市場がニュージーラ ンドにさらに一目置くようになることを望む」と語った。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。小売売上高が予想を上回ったことが消費関連 株に買いを誘った。天然ガスが1カ月ぶりの大幅高になったことを背 景にエネルギー株も高い。

ダウ工業株30種平均の構成銘柄ではホーム・デポやインテル、 ウォルト・ディズニーの上げが目立った。天然ガス・パイプライン網 所有で米最大手のエル・パソは3.4%高。過去最高の四半期利益を発 表したゴールドマン・サックス・グループは0.2%高。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高の905.84。ダウ工業株30 種平均は27.81ドル(0.3%)上昇の8359.49ドルで終了した。ニュ ーヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は5対2。

ペン・キャピタル・マネジメントの調査ディレクター、エリッ ク・グリーン氏は「決算は数週間前に考えられていたほど悪くはない との見方が出ており、経済指標も数週間前に発表されたものよりも改 善している」と指摘した。

経済指標

6月の小売売上高は予想以上に増加し、リセッション(景気後 退)の緩和を示唆した。米生産者物価指数(PPI)は予想の倍の伸 びを示した。

ジョンソン・イリントン(ニューヨーク州オールバニ)のヒュ ー・ジョンソン会長は「決算発表シーズンは良いスタートを切ったが、 道のりは長い」と語った。

S&P500種の裁量消費関連株指数は1.5%高と、全10セクター で上昇率首位。ホーム・デポが2.5%高、ディズニーは1.8%上昇し た。

エネルギー株指数は5.8%上昇。ナショナル・オイルウエルは

3.1%上昇した。

デルは2009年5-7月(第2四半期)に収益性が損なわれる恐 れがあるとの見通しを明らかにした。これを売り材料に、ハイテク株 が相場全体を押し下げる場面もあった。デルは価格競争と部品調達コ ストの拡大で、5-7月期の粗利益率が「小幅低下」すると予想。た だ、需要は安定してきており、売上高は前期比で増加した公算が大き いという。株価は8.1%安。

ゴールドマン

ゴールドマン・サックス・グループが14日発表した2009年4- 6月(第2四半期)決算は、利益が過去最高となり、市場予想を上回 った。トレーディング収入と株式引き受けの手数料が過去最高を記録 した。

純利益は34億4000万ドル(1株当たり4.93ドル)。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたアナリスト22人の予想平均では1株当 たり3.65ドルが見込まれていた。昨年の第2四半期(2008年3-5 月)利益は20億9000万ドル(同4.58ドル)だった。

S&P500種の金融株指数は0.3%安。全体へのマイナス寄与度 では第2位。

キャボット・マネー・マネジメント(ボストン)のロバート・ラ ッツ社長は「ゴールドマンの決算は最高だったが、地銀やマネーセン ターバンクを中心にほかの銀行の決算はまだこれからだ。商業用不動 産などの評価損や資産償却が業績を圧迫するとの懸念がある」と述べ た。

金融会社CITグループは19%高。一時は31%高となった。政 府の債務保証を得られない同社は、10億ドルの社債の償還期限を来 月に控え、救済を求めて政府と「積極的に」交渉していることを明ら かにしている。

S&P500種構成銘柄ではインテルやシティグループなど30社 余りが今週、決算を発表する。ブルームバーグが集計したデータによ ると、アナリストの予想は4―6月(第2四半期)が35%減益、7― 9月(第3四半期)が21%減益となっている。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は0.9%高。4―6 月期決算で1株当たり利益がアナリスト予想を3セント上回ったこと が買いを誘った。

フェデレーテッド・クローバー・インベストメント・アドバイザ ーズの運用担当者、マシュー・コーフラー氏は「安定期には入ってい るが、今後は回復ペースは鈍化するだろう。今後、相場が軟調になっ ても意外ではない」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は続落。米商務省が発表した6月の小売売上高が市場 の予想を上回ったことで、戦後最悪のリセッション(景気後退)が和 らいでいる新たな兆候が示されたとの見方が広がり、国債の相対的な 安全性に対する需要が後退した。

S&P500種株価指数の続伸を受け、10年債と30年債利回りは 上昇。米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)全完成品 は前月比で市場予想の2倍に上昇。ガイトナー米財務長官は、世界経 済は回復への軌道を「緩やかに」進んでいるとの認識を示した。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、アレックス・リー氏は「小売統計の予想以上の増加に物価のデー タも加わり、金利にとって幾分の上昇圧力になっている」と指摘。 「量的緩和策の趣旨はインフレを促進することであり、PPIの数値 にその効果が表れている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時27分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.46%。10年債(表面利率

3.125%、2019年5月償還)価格は30/32下落の97 6/32。

S&P500種株価指数は0.5%高。前日は2.5%値上がりしてい た。

小売売上高と物価

オバマ米大統領と米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ 議長は、12兆8000億ドルの資金投入を約束して、信用市場の凍結解 除と戦後最悪の景気後退からの脱却に向け行動してきた。

米商務省がこの日発表した6月の米小売売上高は0.6%増加と、 市場の予想を上回り1月以来最大の伸び率となった。一方、変動の大 きい自動車とガソリンを除くベースでは4カ月連続で減少した。

米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)全完成品は 前月比1.8%上昇と、前月の0.2%上昇から伸びが大幅に加速。伸び 率は市場予想の2倍となった。ガソリン価格の上昇が影響した。6月 の食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前月比で0.5%上昇した。

バークレイズ・キャピタルの債券戦略責任者、アジェイ・ラジャ ディアクシャ氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標の数値は、FRB の一部対策の効果が表れていること示している点で明るい材料だ」と 指摘。「FRBはデフレを発生させないため一部インフレを誘発して きたが、その努力にとって幸先の良い内容だ」と述べた。

「慎重な楽観論」

米労働省が15日に発表する6月の米消費者物価指数(CPI) は、ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト74人を対象に実施し た調査によると、前月比0.6%上昇する見通し。

10年債とインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は11ベーシ スポイント拡大し1.64ポイント。同利回り格差は消費者物価の見通 しを反映する。過去5年間の同格差平均は2.21ポイント。

米金融大手ゴールドマン・サックス・グループがこの日発表した 2009年4-6月(第2四半期)の純利益は34億4000万ドル(1株 当たり4.93ドル)となり、ブルームバーグ・ニュースがまとめたア ナリスト22人の予想平均の1株当たり3.65ドルを上回った。前年同 期の利益は20億9000万ドル(同4.58ドル)だった。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラ ト・プラカシュ氏は「今朝方発表されたゴールドマンの決算と予想を 上回る経済指標でこの日の相場の基調が決まった」と指摘。「市場に は金融市場が危機から立ち直りに向かっているかもしれないとの慎重 な楽観論があり、これに続いて景気が回復に向かえば、国債相場にと って弱材料になる」と述べた。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。朝方発表された6月の米小売売 上高が前月比で予想以上の伸びを示したことから、景気を楽観する投 資家が増え、インフレヘッジとしての金需要が膨らんだ。

商務省が発表した6月の小売売上高は、エコノミストの予想以上 に増加した。米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)全 完成品は前月比1.8%上昇と、予想の2倍の伸びだった。

ソシエテ・ジェネラルの上級商品ストラテジストのジェスパー・ デーンズボー氏「金はまだインフレ見通しを材料に取引されている。 景気に対する見方がより楽観的になれば、インフレ加速の可能性もそ の分高まる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場8月限は前日比30セント高の1オンス=922.80ドルで取引を終 了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続落。リセッション(景気後退)で 燃料消費が抑制され、燃料在庫が増加したとの見方が強まったことが 背景。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査によると、米エネルギ ー省が15日に発表する週間在庫統計では、ガソリン在庫が5週連続 で増加したと見込まれている。朝方の取引では、米ゴールドマン・サ ックス・グループの4-6月(第2四半期)決算が過去最高益となっ たほか、米小売売上高が市場予想を上回ったことを手掛かりに原油価 格は上昇した。

リターブッシュ・アンド・アソシエーツ(イリノイ州ギャレー ナ)のジム・リターブッシュ社長は「朝方の取引では相場が押し上げ られたが維持できなかった。支援材料が大量に出てこない限り原油は 新たな安値を付けに向かうとの当社の見方を裏付けている」と語った。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比0.17ドル(0.28%)安の1バレル=59.52ドルで終了した。朝方 の取引では1.77ドル(3%)上昇する場面も見られた。

◎欧州株式市場

欧州株式市場ではダウ欧州600指数が続伸。商品相場の上昇を背 景に鉱山株が上昇したのに加え、ゴールドマン・サックス・グループ の決算が過去最高益となり、アナリスト予想を上回ったことが材料と なった。

ドイツ銀行など銀行株が買われた。ロンドン市場の非鉄金属相場 が上昇したことを受け、英豪系鉱山会社リオ・ティントと、同業の豪 BHPビリトンが上昇。自動車メーカー増産への期待から、ドイツの BMWとフランスのルノーが大幅高となった。

ダウ欧州600指数は前日比1.3%高の203.50で終了。6月11日 の水準からは依然として5.3%下げている。

ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントのファンドマネジ ャー、アンドレア・ウィリアムス氏は、「ゴールドマン決算が良かっ たことから、欧州全体で株価が上昇した。依然として不透明感は強い ため、こうした企業決算が待ち望まれていた。市場にとっては重要な 四半期だ」と語った。

米国ではJPモルガン・チェースやシティグループなどS&P 500種株価指数の構成銘柄のうち30社余りが今週決算を発表する。 ブルームバーグがまとめたデータによれば、アナリストらは同指数構 成企業の4-6月期決算を平均35%減益、7-9月期を21%減益と 予想している。

14日の西欧市場では、アイスランドを除く17カ国で主要株価指 数が上昇。ダウ・ユーロ50種株価指数は前日比1.1%高、ダウ・欧 州50種株価指数は1.3%上げた。

ドイツ銀は2.6%上昇。フランスのBNPパリバは3.1%上げた。

BHPは3.5%高、リオ・ティントは5.1%上昇した。ロンドン 金属取引所(LME)では銅相場が非鉄金属の上げを主導した。

BMWは5.3%上げた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT) は、BMWが今後6カ月の生産計画を引き上げる用意があると指摘、 世界の自動車市場が転換期を迎えつつあることが示唆されていると報 じた。ルノーは4.2%上げた。

◎欧州債券市場

欧州債相場は下落し、ドイツ10年債利回りはここ5週間で最大 の上げとなった。株価上昇に加え、ゴールドマン・サックス・グルー プの4-6月期決算で、金融危機の最悪期が過ぎたとの兆候が強まっ たことが背景にある。

独10年債利回りは約2カ月ぶりの低水準から反転。この日のM SCI世界指数は上昇した。ゴールドマン・サックスの4-6月期は 過去最高益となり、アナリスト予想も上回った。トレーディング収入 と株式引き受けの手数料が過去最高を記録したことが寄与した。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バン キングの債券ストラテジスト、コーネリアス・パープス氏は「過去数 日間の株価上昇で、国債相場は下落している。過去4週間にわたり積 み重なった悲観は若干誇張されていたため、これが調整されている」 と語った。

ロンドン時間午後4時25分現在、10年債利回りは前日比4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01)上昇し3.31%。一時は8bp 上昇し、先月1日以来で最大の上げとなった。同国債(表面利率

3.5%、2019年7月償還)は0.35ポイント下げ101.61。2年債 利回りは一時7bp上げた。これは6月8日以来で最大の上昇。

◎英国債市場

英国債相場は下落。6月の英住宅市場の改善を示唆する調査結果 を受け、英経済が景気後退(リセッション)最悪期から脱却しつつあ るとの見方から、国債は売りが優勢となった。

2年債利回りは3営業日ぶりに上昇。英王立公認不動産鑑定士協 会(RICS)が不動産業者や鑑定士を対象に6月に実施した調査に よると、英国全体では住宅価格が下落したとの回答は上昇したとの回 答を18.1ポイント上回ったが、その差は2007年9月以来で最小だっ た。また、米ゴールドマン・サックス・グループが発表した4-6月 (第2四半期)決算が予想を上回ったことを手掛かりに株価が上昇し たことも、英国債の売り材料となった。FTSE350銀行株指数は

1.7%上昇した。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バン キングの債券ストラテジスト、ジュゼッペ・マラフィーノ氏(ミラノ 在勤)は、「住宅関連データは見通しの緩やかな改善を示唆したとい う点でプラスの内容だったが、国債にとっては悪材料だ」と語った。

2年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上げ1.11%となった。同国債(表面利率4.25%、2011年3 月償還)価格は0.11ポイント下げ105.12。10年債利回りは7bp上 げて3.74%。

東京ニューズルーム  +81-3-3201-8900

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 藤田比呂子 Hiroko Fujita +81-3-3201-8662 hfujita2@bloomberg.net Editor:Akiko Kobari 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE