米国債:続落、小売売上高好調で-10年債利回り3.46%

米国債相場は続落。米商務省が 発表した6月の小売売上高が市場の予想を上回ったことで、戦後最悪 のリセッション(景気後退)が和らいでいる新たな兆候が示されたと の見方が広がり、国債の相対的な安全性に対する需要が後退した。

S&P500種株価指数の続伸を受け、10年債と30年債利回りは 上昇。米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)全完成 品は前月比で市場予想の2倍に上昇。ガイトナー米財務長官は、世 界経済は回復への軌道を「緩やかに」進んでいるとの認識を示した。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、アレックス・リー氏は「小売統計の予想以上の増加に物価のデー タも加わり、金利にとって幾分の上昇圧力になっている」と指摘。 「量的緩和策の趣旨はインフレを促進することであり、PPIの数値 にその効果が表れている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時27分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.46%。10年債(表面利率

3.125%、2019年5月償還)価格は30/32下落の97 6/32。

S&P500種株価指数は0.5%高。前日は2.5%値上がりしてい た。

小売売上高と物価

オバマ米大統領と米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ 議長は、12兆8000億ドルの資金投入を約束して、信用市場の凍結解 除と戦後最悪の景気後退からの脱却に向け行動してきた。

米商務省がこの日発表した6月の米小売売上高は0.6%増加と、 市場の予想を上回り1月以来最大の伸び率となった。一方、変動の大 きい自動車とガソリンを除くベースでは4カ月連続で減少した。

米労働省が発表した6月の生産者物価指数(PPI)全完成品は 前月比1.8%上昇と、前月の0.2%上昇から伸びが大幅に加速。伸び 率は市場予想の2倍となった。ガソリン価格の上昇が影響した。6月 の食品とエネルギー価格を除いたコア指数は前月比で0.5%上昇した。

バークレイズ・キャピタルの債券戦略責任者、アジェイ・ラジャ ディアクシャ氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標の数値は、FRB の一部対策の効果が表れていること示している点で明るい材料だ」と 指摘。「FRBはデフレを発生させないため一部インフレを誘発して きたが、その努力にとって幸先の良い内容だ」と述べた。

「慎重な楽観論」

米労働省が15日に発表する6月の米消費者物価指数(CPI)は、 ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト74人を対象に実施した調 査によると、前月比0.6%上昇する見通し。

10年債とインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は11ベーシ スポイント拡大し1.64ポイント。同利回り格差は消費者物価の見通し を反映する。過去5年間の同格差平均は2.21ポイント。

米金融大手ゴールドマン・サックス・グループがこの日発表した 2009年4-6月(第2四半期)の純利益は34億4000万ドル(1株 当たり4.93ドル)となり、ブルームバーグ・ニュースがまとめたア ナリスト22人の予想平均の1株当たり3.65ドルを上回った。前年 同期の利益は20億9000万ドル(同4.58ドル)だった。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラ ト・プラカシュ氏は「今朝方発表されたゴールドマンの決算と予想を 上回る経済指標でこの日の相場の基調が決まった」と指摘。「市場に は金融市場が危機から立ち直りに向かっているかもしれないとの慎重 な楽観論があり、これに続いて景気が回復に向かえば、国債相場にと って弱材料になる」と述べた。

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