米財務長官:世界経済の回復の道は多難-浮き沈みがあるだろう

ガイトナー米財務長官は14日、 世界経済は回復の途上において、各国が富の喪失と公的債務急拡大に 対応するなかで障害に直面するだろうとの考えを示した。

ガイトナー長官はサウジアラビアで講演し「今回の危機は全世界 の経済への打撃の範囲と深刻度の双方において激烈だった」とした上 で、「金融システムへの打撃の度合い、富の喪失、全世界での過度な借 り入れ長期化に対する必要な調整などを考えると、回復が緩慢なもの となり、通常以上に浮き沈みがあるとともに時には後戻りもあると考 えるのが現実的だ」と語った。

同長官は、雇用創出が始まるには景気がプラス成長に戻ることが 必要だと指摘した。さらに、信用市場は政府の対策によって幾分活性 化し始めたものの、与信環境は「通常以上に引き締まった状態」が続 くと予想した。

ガイトナー長官は中東でサウジアラビアとアラブ首長国連邦を歴 訪する。石油輸出国の両国は米国債保有も大きい。米国の今会計年度 の財政赤字は6月までで1兆1000億ドルに上り、今年9月の年度末 には1兆8000億ドルに達すると見込まれる。

ガイトナー長官は講演で、米国が負債圧縮に取り組むと表明。「米 国は今回の危機の前から、財政面で持続不可能な道筋をたどっていた。 長期的な財政赤字に対処する信頼できる取り組みの決意がなければ、 持続的回復への道を確立することはできない」と語った。

また、世界経済における主導的役割による責任を自覚していると し、「国際金融システムにおけるドルの役割や、米経済が世界の経済環 境に与える影響の大きさを考えると、米国には特別な責任があると考 える」と述べた。

世界経済については、金融危機に対する各国政府の取り組みが「よ り深く長い世界のリセッション(景気後退)のリスクを大きく低下さ せた」との認識を示した上で、安定化と米国への信頼感回復の兆候が 幾つか見られ、世界的な前進の「初期の兆候」が見られると述べた。

ガイトナー長官は欧州経済と日本経済の後退ペースが鈍化してい る兆候があると指摘。中国は政府の政策による需要喚起に成功し他の アジア経済を支援していると語った。ブラジルなど中南米諸国の見通 しも改善しているとの認識を示した。サウジアラビアについては、エ ネルギー関連産業以外への多様化の取り組みを評価した。

ガイトナー長官は今週、中東に加え英国とフランスも訪れている。

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