円高は早期収束へ、対ドルで94~99円レンジに回帰-バークレイズ銀

バークレイズ銀行の逆井雄紀FX ストラテジストは14日、先週来の円高局面は、世界景気の先行きに対 する過度な楽観論の修正を背景とした急激な市場センチメントの悪化が 主因だとして、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の裏付けに 乏しく、長続きしないとの見解を示した。

ドル・円相場は13日の海外市場で一時1ドル=91円74銭と、2 月17日以来の水準まで円が上昇。この日の東京市場では92円台後半 から93円台前半で取引された。

逆井氏によると、バークレイズ銀が日次で算出している円の貿易加 重レートでは、過去10年間の平均から標準偏差を取った水準が115に 当たるといい、ここ10年の間に115を上回った局面は現在の円高局面 を含めて3例しかないという。

1例目は昨年10月で、米大手証券リーマン・ブラザーズ・ホール ディングスの破たんを受けた金融市場のパニック的な状況が影響。2例 目は昨年11月以降で、円キャリートレード(低金利の円で調達した資 金を高金利通貨などに投資する取引)の急激な巻き戻しが背景にあった という。

ドル・円は94円から99円のレンジに

しかし、逆井氏は、今回の円高局面については、3カ月物ロンドン 銀行間取引金利(LIBOR)とOIS(オーバーナイト・インデック ス・スワップ=翌日物無担保コールレートと固定金利を交換する金利) の格差が昨年9月のリーマン・ショック後の水準から低下していること から、足元では流動性の危機はみられず、裏付けに乏しいと指摘する。

また、円キャリートレードについては、ひとつの目安として外国銀 行の日本におけるコールローン残高を挙げ、昨年は減少がみられ、まだ 増加していない状況を説明。「キャリートレードは復活していない」と して、円キャリートレードの巻き戻しに伴う円高とも言い難い状況にあ ると分析する。

逆井氏は、以上の事例を背景に、足元の円高がファンダメンタルズ 的な要因に基づいていないとして、「やがて何かのきっかけで、反転す る」と予想。センチメントの悪化が止まれば、ドル・円相場は94円か ら99円のレンジに戻ると見込んでいる。

ただ、米国で弱い経済指標の発表が続けば、「市場のセンチメント 悪化に歯止めがかからない」可能性は残るとして、90円まで円高が進 むリスクもあり得るとみている。

--取材協力:野沢茂樹、池田祐美、野原良明 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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