河村名古屋市長:「骨太の方針」は間違い-自民は衆院選も敗北へ

名古屋市の河村たかし市長は、 東京都議会議員選挙で敗北した自民党について、「経済政策が根本的 に間違っていたために、国民の支持を失った。総選挙でも負けるだろ う」との見方を示した。10日に名古屋市役所でブルームバーグ・ニュ ースのインタビューに応じた。

麻生太郎首相は12日に21日の週に衆院を解散し、8月30日に 総選挙を行う方針を表明している。河村氏は衆院選に関して「みんな 民主党が勝つと言っているが、そんな感じがする」と自民党の敗北を 予想。理由について「『骨太の方針』が間違っていたから。自民党の 経済理論が間違っていたからだ」と語った。

河村氏は元民主党所属衆院議員(当選5回)で、4月の名古屋市 長選で同党の推薦を受けて出馬。有効投票数の6割近い51万4514票 を獲得して、初当選した。「市民税10%減税」など独自の経済政策を 掲げる有力地方都市の首長の立場から、「骨太の方針は要するに増税 政策。財政危機と言って給付を削減することは間違いだった」と批判 した。

政府は、小泉純一郎政権時代の2001年に国債発行額の抑制など を柱とした経済財政政策の基本方針「骨太の方針」を発表し、その後 も毎年更新。財政立て直しがその基調で、「基礎的財政収支(プライ マリーバランス)の黒字化」や「郵政民営化」「公務員人件費削減」 などを打ち出してきた。

米国債購入キャンペーン

今年の「骨太の方針2009」は、社会保障費の伸びの抑制は最終的 に自民党の反対で見送られたものの、「わが国の債務残高が他国に類 例を見ないほどの高い水準にあることから、利払い費を含む財政収支 の均衡を視野に入れて収支改善努力を続ける」というのが基本路線だ。

河村氏は「銀行や郵便局にとんでもない金が余っている。日本が 財政破綻(はたん)するというのはうそだ」と指摘。「銀行から泉の ように金があふれてくる中、プライマリーバランスをゼロにして国債 発行を抑えるとその金はどうなるか。米国債の購入か増税しかない」 と述べ、「骨太の方針は米国債買いましょう、の大キャンペーンだっ た」と持論を展開した。

河村氏は、日本のような貿易黒字国は米国債を買うことが多いが、 「それなら日本国債を買った方がいい。一番いいのは減税。政府部門 から流した金が民間で回るようになれば、貯蓄過剰は吸収される。増 税は略奪であり、最悪の選択肢だ」と主張した。

「中小企業のおやじ」支援を

地元の名古屋経済については、トヨタ自動車の在庫調整が進んだ ことなどから「底は打ったのではないか」との認識を示す一方、「急 激な回復は期待しにくい」と述べ、「しっかりした経済政策がないと 民主党も危ない」と警鐘を鳴らす。

具体案として、零細業者の設備投資への大規模な資金援助を挙げ る。「民間の貯蓄過剰があるなら、そのお金をなるべく末端の設備投 資、例えば中小企業のおやじが冷蔵庫を直すのに2000万円かかるん だったらその半分ぐらいをただで給付する。これはダム建設などの公 共事業より4.5倍ぐらいの経済効果がある」と試算を示した。

河村氏によると、自治体レベルでは地方財政法の制約でできない といい、「民主党が政権を取ればぜひやってもらいたい。公共投資と 同じだから10兆円、20兆円でもやっていい」と話した。

河村氏は市長選での公約の柱として「日本で一番税金の安い街 ナゴヤ」を掲げ、市民税減税を打ち出した。自ら市長報酬2500万円 超を800万円に引き下げたが、減税案は6月議会では可決に至らなか った。「役所が減税するのに議会が否決するなんて聞いたことがない。 お店が値引きしますというとるときに、なぜお客さんの代理人が出て きて値引きせんでもええというのか。むちゃくちゃだ」と話す。

河村氏は問題の原因には「議員の職業化」があると指摘。「増税 するのは税金を糧に生活している人たち。古今東西、税金の安い国は 栄え、税金の高い国は滅びる。日本は公務員の無駄遣いが多いと言わ れるが、減税がないから無駄遣いが派生する。減税して入ってくる金 を少なくすれば、無駄遣いも減る」と強調した。

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