バークレイズ証:長期金利9月末に1.55%程度に上昇、政治リスクも

バークレイズ・キャピタル証券チ ーフストラテジストの森田長太郎氏は14日、都内で開催した「グロー バル・アウトルック・セミナー」で、日本の長期金利について、景気回 復基調の継続、国債増発による需給懸念、政治リスクなどを背景に、9 月末に1.55%程度へ上昇するとの見通しを示した。

森田氏は、「成長回復期待が持続し、株価が上昇に転じてくれば、 7-9月期は長期金利に上昇リスクがまだ残る」と指摘。また、民主党 政権が成立した場合、「財務官僚と民主党の対立が先鋭化すれば、国債 管理政策がうまくいかなくなり、財政リスクプレミアム(金利上乗せ) が発生する可能性もある」と語り、秋にかけてこうした政治リスクを一 時的に織り込むこともあると説明した。

しかし、長期的には、日本経済の過剰供給構造やデフレ基調などを 背景に、金利は低位安定すると想定。森田氏は、「来年後半以降の世界 経済のリスクを織り込み始めていれば、世界的に株価の再下落、長期金 利の再低下が起こり得る」とみている。秋から来年初めにかけて世界的 に政策需要追加の動きがみえるかを焦点に挙げた。

アジア経済に強気、欧州経済は低迷

同証券チーフ外債ストラテジストの高橋祥夫氏は、「7-9月期に 世界経済がプラス成長に戻る」と予想し、中国、インド、インドネシア などをけん引役として、アジア経済に強気の見解を示した。

また、米国経済の循環的な回復は当面続くとみており、「7-9月 期はマイナス成長からプラス成長に転換する」との見通しを示した。も っとも、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに動くのは失業率が ピークをつけて1年後以降となる傾向に言及し、「出口が問題になるの は2011年以降」と予想している。

高橋氏は、09年度の米財政赤字を2兆ドルと想定すれば、米長期 金利の適正水準は4.8%程度と推計。米長期金利は、国債増発圧力を背 景に、来年末以降に4.8%程度に上昇すると見込んでいる。

一方で、欧州経済に対しては、金融部門の調整圧力が厳しく、「引 き続き低迷」を見込んでいる。

日銀利上げは11年後半以降

同証券チーフエコノミストの森田京平氏は、日本経済に関して、政 策効果などにより、4-6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比プ ラス0.8%程度、年率プラス3.1%程度を予想。7-9月期(前期比プ ラス0.9%、年率プラス3.8%)、10-12月期(前期比プラス0.8%、 年率プラス3.2%)と、プラス成長が続くと見込んでいる。

一方で、消費者物価指数(CPI)コア指数に関しては、「2011 年半ばまで前年比マイナスが続く」と予想し、デフレ基調との見方を示 した。また、日本銀行の金融緩和政策の出口政策に関しては、「利上げ は11年後半以降」と予想しており、「企業金融支援策も継続されるだ ろう。利上げは今年、来年中にはないだろう」と述べた。

--取材協力:三浦和美、野沢茂樹 Editor:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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