7月13日の海外株式・債券・為替・商品市場

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円とドルがユーロに対して下落。 米ゴールドマン・サックス・グループの決算発表を控えてゴールドマ ンを中心に金融株が上昇し、投資家の間で高利回り資産の保有が拡大 するとの見方が広がった。

シティグループのまとめた指数によると、短期的なリスク回避を 示す水準は今年3月以来の最高に迫っているが、スイス・フランや円 を含む主要通貨に対するドルの今月のインプライドボラティリティ (IV、予想変動率)は、9カ月ぶりの低水準付近で推移している。

シティバンクの通貨ストラテジスト、トッド・エルマー氏(ニュ ーヨーク在勤)は「過去数カ月間みられたリスク許容度の高まりが一 段と確実になってきた」と語った。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、円は対ユーロで0.9%下 げての1ユーロ=130円10銭(前営業日は同129円)。ドルはユー ロに対して0.4%安の1ユーロ=1.3994ドル(同1.3936ドル)。円 は対ドルで0.5%安の1ドル=92円96銭(同92円54銭)。

円とドルはブルームバーグが調査する主要通貨のほとんどに対し て下落した。株価の上昇に伴い低金利通貨で資金を調達し、高金利通 貨で運用するキャリー取引が活発化した。

ドル、円が下落

円はカナダ・ドルに対しては1.5%安の1カナダ・ドル=80円74 銭、対ニュージーランド・ドルでは1.3%安の58円83銭だった。ド ルは対ブラジル・レアルで1%安の1ドル=1.9759レアル、スウェ ーデン・クローナに対しては0.4%安の1ドル=7.8920クローナだっ た。

日本の政策金利は0.1%、米国は実質ゼロ金利。これに対してブ ラジルは9.25%、ニュージーランドは2.5%、スウェーデンが

0.25%となっている。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「リスク許容が高まってい るのは明らかだ」と語った。

この日の米国株はアナリスト、メレディス・ホイットニー氏の見 解を材料に買いが入った。同氏はゴールドマン・サックス・グループ の投資判断を「買い」引き上げた。同社はホイットニー氏が投資判断 を付与する金融機関8社の中で唯一の買い推奨。

ホイットニー氏は米経済専門局CNBCテレビに対し、バンク・ オブ・アメリカ(BOA)は米銀株の中で「最も割安」と指摘した。

韓国ウォン、英ポンド

韓国ウォンは対ドルで約2カ月ぶり安値に下落。韓国のケーブル ニュース局YTNが13日、北朝鮮の金正日総書記が膵臓(すいぞ う)がんを患っており、余命は5年未満だと伝えた。YTNが中国と 韓国の情報機関の匿名の当局者を引用して報じた。金総書記の後継者 はまだ指名されていない。

英ポンドはブルームバーグが調査する主要16通貨のうち9通貨 に対して値下がりした。英日曜紙サンデー・タイムズが、英ロイズ・ バンキング・グループは3週間後に発表する上半期決算で損失を計上 する可能性があると報道したのが売り材料となった。情報源は明らか にされていない。ロイズの広報担当はブルームバーグの問い合わせに 対しコメントを避けた。

対ユーロでのポンドは0.3%下げて、1ユーロ=86.22ペンス、 対ドルでは1ポンド=1.6223ドルとほぼ変わらず。一時は対ドルで

1.1%安まで売り込まれる場面もあった。

◎米国株式市場

米株式相場は反発。S&P500種株価指数は過去6週間で最大の 上げ。アナリスト、メレディス・ホイットニー氏の見解を材料に買い が入った。同氏はゴールドマン・サックス・グループの投資判断を引 き上げ、米国の銀行株には15%上昇する余地があるとの見方を示し た。

ゴールドマンは5.3%上昇した。同社はホイットニー氏が投資判 断を付与する金融機関8社の中で唯一の買い推奨。バンク・オブ・ア メリカ(BOA)は9.3%高と、ほぼ2カ月ぶりの大幅高。同氏がC NBCテレビに対し、BOA株は米銀株の中で「最も割安」と指摘し たことが買いを誘った。デジタルカメラ向けメモリーカード最大手の サンディスクがハイテク株のけん引役となった。トーマス・ワイゼ ル・パートナーズ・グループの買い推奨が手掛かり。

S&P500種株価指数は前週末比2.5%高の901.05。ダウ工業株 30種平均は185.16ドル(2.3%)上昇の8331.68ドルで終了した。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は9対1。

フィフス・サード・アセット・マネジメントの最高投資責任者 (CIO)、キース・ワーツ氏は「米経済が正常に機能するためには 健全な銀行セクターが必要だ。明るいコメントやニュースは何であれ 銀行株には好材料で、市場心理にとっても良いことだ」と指摘した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は9.3%低下の26.31と、3月以来の大幅低下。同指数は S&P500種の下落に備えたオプション費用を示す。

S&P500予想の上方修正

バークレイズの株式ストラテジスト、バリー・ナップ氏は10日 の通常取引終了後に顧客に配布したリポートで、年末のS&P500種 予想を930と、従来の757から23%上方修正した。下期の景気回復 予想が理由。

S&P500種構成銘柄ではゴールドマンやJPモルガン・チェー ス、IBM、グーグルなど30社余りが今週、決算を発表する。ブル ームバーグが集計したデータによると、アナリストの予想は4―6月 (第2四半期)が35%減益、7―9月(第3四半期)が21%減益と なっている。

ガイトナー米財務長官は12日放送のCNNの番組「ファリー ド・ザカリヤ・GPS」で、「力強く持続可能な景気回復が定着する と確信できるのはしばらく先だろう」と述べた。

金融株

ゴールドマンを中心にS&P500種の金融株指数が上昇。6.5% 高と、全10セクター中で上昇率首位となった。同指数としては5月 18日以来の大幅高。

メレディス・ホイットニー・アドバイザリー・グループの創業者 であるホイットニー氏が、ゴールドマン株の買いを推奨するのはオッ ペンハイマーのアナリストだった2008年1月以来初めて。同氏は 2007年にシティグループの減配を予想して的中させ、今年に入って 同社を創設した。

ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均によれば、利益 は一部項目を除くベースで22億ドル(1株当たり3.65ドル)。ホイ ットニー氏は10日付のリポートで、ゴールドマンの目標株価を186 ドルに引き上げた。10日終値は141.87ドル。

スペインのイベルカハ・ヘスティオンで運用に携わるアルベル ト・エスペロシン氏は「景気回復の強さについて疑問の声が上がって おり、追加景気対策の是非についても議論が活発化している」と指摘 した。さらに「市場の注目は14日のゴールドマン決算に集まってい る」と述べた。

BOA株は9.3%上昇。過去12カ月の利益を基にした株価収益 率(PER)は23倍未満。JPモルガンは35倍、ゴールドマンは 33倍。

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は24% 高と、S&P500種の構成銘柄で上昇率トップ。台湾紙の工商時報は、 アジアに拠点を置く金融持ち株会社、プライマス・ファイナンシャ ル・ホールディングスが、AIGの台湾の生命保険部門に対し、20 億ドル(約1850億円)での買収案を提示すると報じた。事情に詳し い金融業界関係者の話として伝えた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。株価の上昇が背景にある。米国債相場は先週 までは週間ベースで5週連続で上昇していた。市場では景気回復が戦 後最悪のリセッション(景気後退)から抜け出すのに十分力強いもの になるかどうかで見方が分かれている。

10年債利回りは約7週間ぶりの低水準から上昇。S&P500種株 価指数の反発がきっかけ。国債の利回りが6月初めに昨年10月以来 の高水準を付けて以降、ブラックロックやテンプルトン・イン ベス トメンツなどの資産運用会社は米国債への投資に一段と強気に傾いて いた。

スタンダード・チャータードの政府債トレーディング責任者、マ イケル・フランゼーセ氏は「株式相場に資金が流れた」と指摘。「薄 商いで、活気のない月曜日だった」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時6分現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.35%。一時は5月21日以来の 低水準となる3.26%まで下げる場面もあった。10年債(表面利率

3.125%、2019年5月償還)価格は11/32下落の98 3/32。

ICAPによると、午後2時現在、米国債の出来高の概算は950 億ドル。過去5日間平均の1600億ドルを大きく下回っている。

「一段の懸念」

10年物と2年物の国債利回り格差は2.45ポイントに縮小。6月 5日には過去最大の2.81ポイントを付けていたが、比較的割安な長 期国債の買いが進んだ。イールドカーブ(利回り曲線)は通常、投資 家が景気回復を見込む際に拡大。経済成長に伴うインフレ加速リスク の見返りを求めるためだ。

1280億ドルの債券を運用するフランクリン・テンプルトンの債 券運用委員会の共同委員長、マイケル・マテラッソ氏は「景気に対す る懸念がより多く聞かれ始めるだろう」と語る。

マテラッソ氏によると、フランクリンは過去2週間に社債の保有 比率を引き下げ、10年債など国債の組み入れを増やした。

消費者信頼感の低下や株式相場の下落、失業率10%への上昇見 通しは国債入札規模拡大をめぐる懸念を払拭している。バークレイズ は、年末までにさらに1兆1000億ドル規模の入札が実施されると予 想。今年上期の入札実績は9630億ドルだった。

リード・ サンバーグがファンドマネジャー21人を対象にまとめ た調査では、国債に対する強気な見通しは続かないとの結果が示され た。今年の国債に対する同社投資家センチメント指数は、9日まで1 週間の調査によると42に低下した。前週の調査では43だった。指数 50を下回ると投資家が国債価格の下落を見込んでいることを示す。

財政赤字

米国の財政赤字は、今会計年度に入って9カ月間で1兆ドルを突 破。6月の財政収支も1991年以来初めて赤字となった。リセッショ ン(景気後退)で歳入が減少した一方、景気刺激策で歳出が膨らんだ。

米財務省がこの日発表した、昨年10月からの今会計年度の財政 赤字は総額1兆1000億ドルに達した。6月の財政赤字は943億ドル だった。

メリルリンチの指数によると、米国債は今年上期に過去30年で 最大の下落を記録した。オバマ米政権の記録的な借り入れ規模に対す る懸念が背景にある。

米財務省の次回入札は2週間後の27日。20年物インフレ連動債 の入札を追加発行(リオープン)形式で実施する。28日以降は3日 連続で、2年債、5年債、7年債の入札を行う。2週間の入札休止は 5月以来となる。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。ドルの下落に伴い代替資産とし ての金需要が高まった。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は最大0.2%低下。ドルが下落すると価値の保護を目的に貴 金属に買いが入り、金の値動きはドル相場と反対になる傾向が強い。

クレディ・スイス・グループのアナリスト、エリアーヌ・タナー 氏(チューリヒ在勤)は、「金市場ではドルの値動きが最も重要な材 料かもしれない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場8月限は前営業日比10ドル(1.1%)高の1オンス=922.50ド ルで取引を終了した。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続落。景気と燃料消費の年内回復は ないとの懸念から8週間ぶり安値まで下げた。

ガイトナー米財務長官が米経済は今もなお「大きな課題」に直面 していると述べたことを手掛かりに相場は下落。米消費者信頼感の低 下や雇用の減少、燃料在庫の増加などから、原油は6月30日に付け た8カ月ぶり高値の1バレル当たり73.38ドルから19%下げている。

MFグローバル(ニューヨーク)のエネルギー担当バイスプレジ デント、マイケル・フィッツパトリック氏は「米経済が安定的な改善 を示すまで、原油にとって好材料はあまり出てこないだろう」と語っ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前週 末比0.20ドル(0.33%)安の1バレル=59.69ドルで終了した。一 時は同58.32ドルと、5月18日以来の安値を付けた。1バレル=

147.27ドルを付けた2008年7月11日からは59%下落している。

◎欧州株式市場

欧州株式相場は上昇。M&A(企業の合併・買収)が活発化する との観測から、自動車や保険、エネルギーなどの銘柄が買われた。ダ ウ欧州600指数は先週、ここ4カ月で最長の続落だった。

ドイツのスポーツ車メーカー、ポルシェが大幅上昇した。カター ル政府がポルシェの株式買収を提案したとの報道がきっかけ。英保険 会社、フレンズ・プロビデントは13%の大幅高。英資産家クライ ブ・カウデリー氏率いる投資会社、英レゾリューションによる買収提 案を拒否する考えを明らかにしたことが買い材料となった。

英天然ガス会社、ベンジャー・プロダクションは5.5%高。同社 の株式12%を保有する投資家が、セントリカによる14億5000万ポ ンドの買収提案を拒否したことが背景にある。

ダウ欧州600指数は前週末比1.8%高の200.8と、約3週間ぶり の大幅高となった。景気見通しから判断すると、2004年以来の高水 準までバリュエーション(株価評価)を押し上げた過去3カ月の上昇 は行き過ぎとの見方から、同指数は6月11日の水準から6.5%下げ ている。

カナダ・ライフで60億ドルの資産運用に携わるデービッド・ブ ラッドベリー氏は、企業買収が「活発化しているのは驚くことではな い。増収への取り組みで多くの企業が苦労するであろう環境下で、企 業買収は目的達成への1つの方法だ」と語った。

13日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が上昇。 ダウ・ユーロ50種株価指数は前週末比2.8%高、ダウ・欧州50種株 価指数は2%上げた。

ポルシェ株上昇

ポルシェは7.9%高。カタール政府がポルシェの株式と同社保有 のフォルクスワーゲン株購入権(オプション)に対して約70億ユー ロを提示したと、独誌シュピーゲルが報じたことがきっかけ。

スイスの資源会社であるエクストラータの合併提案を先月拒否し た英鉱山会社アングロ・アメリカンは2.7%高。12日付の英紙オブサ ーバーは、アングロ株主に買収案を検討させることを狙い、エクスト ラータが最大50億ポンドの現金を提示する可能性があると報じた。

英独仏の株式指標

英国FT100指数は前週末比74.96ポイント(1.8%)高の

4202.13。FTオールシェア指数は36.16ポイント(1.7%)高の

2145.48。

ドイツのDAX指数は146.03ポイント(3.2%)上げて4722.34。 HDAX指数は70.33ポイント(3.1%)上昇の2362.60。

フランスのCAC40指数は68.98ポイント(2.3%)上昇の

3052.08で終了した。

◎欧州債券市場

欧州債市場では、ドイツ10年債利回りが約2カ月ぶり低水準付 近で推移した。経済低迷が長期化するとの懸念から、国債需要が続い ている。

独10年債利回りは5月7日以来の低水準となった。ガイトナー 米財務長官は12日のCNNとのインタビューで、米経済は今もなお 「大きな課題」に直面していると述べたことが材料視された。カリヨ ンによれば、今週の国債利払いや償還額は今年2番目に多い最大550 億ユーロに上り、欧州債相場の上昇要因となる可能性がある。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダ ーハイム氏(ミュンヘン在勤)は「市場関係者は、経済に対する疑念 が再び高まったことを材料に取引している。今週発表される経済デー タは、当面はデフレ環境にあることを裏付けるだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時3分現在、10年債利回りは3.26%と、前 週末からほぼ変わらず。一時は3.25%まで下げる場面もあった。2 年債利回りも前週末比ほぼ変わらずの1.20%。

◎英国債市場

英国債相場は上昇。英日曜紙サンデー・タイムズが英ロイズ・バ ンキング・グループは一段の損失を明らかにする可能性があると報じ たことから、リセッション(景気後退)の最悪局面はまだ終わってい ないとの見方が広がった。

サンデー・タイムズは12日付で、ロイズが3週間後に発表する 上半期決算で最大130億ポンドの損失を計上する可能性があると伝え た。情報源は明らかにしていない。ロイズの広報担当はブルームバー グの問い合わせに対しコメントを避けた。

10年債利回りは前営業日比6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げ3.68%となった。同国債(表面利率4.5%、2019年 3月償還)価格は0.53ポイント上げ106.63。2年債利回りは7bp 下げて1.04%。

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