米国債:下落、株価反発で売り-10年債利回り3.35%

米国債相場は下落。株価の上昇 が背景にある。米国債相場は先週までは週間ベースで5週連続で上昇 していた。市場では景気回復が戦後最悪のリセッション(景気後退) から抜け出すのに十分力強いものになるかどうかで見方が分かれてい る。

10年債利回りは約7週間ぶりの低水準から上昇。S&P500種 株価指数の反発がきっかけ。国債の利回りが6月初めに昨年10月以来 の高水準を付けて以降、ブラックロックやテンプルトン・イン ベスト メンツなどの資産運用会社は米国債への投資に一段と強気に傾いてい た。

スタンダード・チャータードの政府債トレーディング責任者、マ イケル・フランゼーセ氏は「株式相場に資金が流れた」と指摘。「薄 商いで、活気のない月曜日だった」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時6分現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.35%。一時は5月21日以来 の 低水準となる3.26%まで下げる場面もあった。10年債(表面利 率3.125%、2019年5月償還)価格は11/32下落の98 3/32。

ICAPによると、午後2時現在、米国債の出来高の概算は950 億ドル。過去5日間平均の1600億ドルを大きく下回っている。

「一段の懸念」

10年物と2年物の国債利回り格差は2.45ポイントに縮小。6月 5日には過去最大の2.81ポイントを付けていたが、比較的割安な長 期国債の買いが進んだ。イールドカーブ(利回り曲線)は通常、投資 家が景気回復を見込む際に拡大。経済成長に伴うインフレ加速リスク の見返りを求めるためだ。

1280億ドルの債券を運用するフランクリン・テンプルトンの債 券運用委員会の共同委員長、マイケル・マテラッソ氏は「景気に対す る懸念がより多く聞かれ始めるだろう」と語る。

マテラッソ氏によると、フランクリンは過去2週間に社債の保有 比率を引き下げ、10年債など国債の組み入れを増やした。

消費者信頼感の低下や株式相場の下落、失業率10%への上昇見通 しは国債入札規模拡大をめぐる懸念を払拭している。バークレイズは、 年末までにさらに1兆1000億ドル規模の入札が実施されると予想。今 年上期の入札実績は9630億ドルだった。

リード・ サンバーグがファンドマネジャー21人を対象にまとめ た調査では、国債に対する強気な見通しは続かないとの結果が示され た。今年の国債に対する同社投資家センチメント指数は、9日まで1 週間の調査によると42に低下した。前週の調査では43だった。指数 50を下回ると投資家が国債価格の下落を見込んでいることを示す。

財政赤字

米国の財政赤字は、今会計年度に入って9カ月間で1兆ドルを突 破。6月の財政収支も1991年以来初めて赤字となった。リセッショ ン(景気後退)で歳入が減少した一方、景気刺激策で歳出が膨らんだ。

米財務省がこの日発表した、昨年10月からの今会計年度の財政 赤字は総額1兆1000億ドルに達した。6月の財政赤字は943億ドル だった。

メリルリンチの指数によると、米国債は今年上期に過去30年で 最大の下落を記録した。オバマ米政権の記録的な借り入れ規模に対す る懸念が背景にある。

米財務省の次回入札は2週間後の27日。20年物インフレ連動債 の入札を追加発行(リオープン)形式で実施する。28日以降は3日 連続で、2年債、5年債、7年債の入札を行う。2週間の入札休止は 5月以来となる。

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