今日の国内市況:株式9日続落、債券堅調-円はリスク回避で午後上昇

東京株式相場は午後に下げ足を速 め、9日続落となった。世界経済の先行きに対する不透明感が強まって いる上、解散総選挙によって政局が混乱すれば、さらに国内景気を押し 下げかねないと不安視された。輸出関連や金融、素材株を中心に幅広く 売られ、東証1部銘柄の90%が下げるほぼ全面安。

日経平均株価の終値は前週末比236円95銭(2.6%)安の9050円 33銭で5月18日以来、およそ2カ月ぶりの安値水準。TOPIX終値 は20.08ポイント(2.3%)安の852.42だった。

日経平均とTOPIXの下落率は、ともに下落した9日間の中で最 大。東証1部の業種別33指数は、食料品を除く32業種が下落。東証1 部の売買高は23億5706万株、売買代金は1兆4646億円。

米国では早期の追加景気対策への期待が後退する一方、国内では政 局が緊迫化。午後に下げが大きくなるきっかけとなったのは、麻生太郎 首相が7月21日の週に衆議院を解散し、8月30日に総選挙の投開票を 行うとの方針を表明したため。

各党が次期総選挙の前哨戦と位置付けてきた12日投開票の東京都 議会議員選挙は、民主党が初めて議席数で第1党となり、自民・公明の 連立与党は過半数を割り込んだ。

一方、ガイトナー米財務長官はCNNテレビのインタビューで、第 2次景気刺激策が必要かどうかを決定するのは時期尚早との見方を示し た。米エール大学のエコノミスト、ロバート・シラー教授は景気後退が 長期化する可能性を指摘し、オバマ米政権の景気対策の実施ペースが遅 いとして、新たな景気刺激策が必要だと強調している。

東証1部の値上がり銘柄は134、値下がりは1525。個別の材料銘柄 では、日興シティグループ証券が今期業績予想と投資判断を引き下げた ケネディクスが値幅制限いっぱいのストップ安。新株の発行価格が13 -15日の間に決定する予定の全日本空輸は7日続落した。民主党政権 が誕生すれば、業界にとって逆風になると見られている建設株が安い。 相場全体の調整色の強まりを背景に、ジーエス・ユアサコーポレーショ ンや明電舎など環境関連も下げが目立った。

半面、サントリーホールディングスと経営統合の交渉を進めている ことが分かった、と13日付の日本経済新聞朝刊で報じられたキリンホ ールディングスは急伸し、再編観測の広がったビール株中心に食料品株 が高い。米食品医薬品局(FDA)が10日に、抗血栓薬「プラスグレ ル」を新薬として承認したことが好感された第一三共は4日ぶりに反発 した。野村証券が投資判断を新規に「1(買い)」としたタクトホーム はストップ高買い気配のまま取引を終えた。

債券堅調

債券市場では先物相場が堅調(利回りは低下)。米国で景気不透明 感から長期金利が低下基調にあるほか国内株価が午後に一段と下落した ことが支えとなった。8月30日に次期衆院選が行われる見通しとなっ たことの影響は限定的だった。

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比7銭高い138円91銭で 始まり、開始後いったんは138円76銭まで下げた。その後は10日の終 値を挟んで小動きが続き、午後には株安を手がかりに138円93銭まで 上昇したが、取引終盤にかけては再びもみ合い推移して、結局は5銭高 の138円89銭で引けた。日中の売買高は1兆1656億円だった。

先物9月物は6月半ば以降に右肩上がりの上昇となったが、前週後 半からは139円乗せの手前で足踏みとなっている。米債相場の上昇基調 が続いていることが買い材料視される一方、最近の国内債券市場の金利 低下ピッチが速かったことから現物買いが一段落したためだ。

また、この日午後には麻生太郎首相が来週以降に衆院を解散し、総 選挙を8月18日公示、30日投開票の日程で実施する方針を示したこと も、相場の方向感を乏しくする一因となったもようだ。

12日の東京都議選(定数127)では、民主党が前回の34議席から 大幅増の54議席を獲得して第1党に躍進する一方、自公両党合わせて も過半数の64議席に届かない61議席だったため、次期衆院選において も民主党有利の展開を予想する見方が増えている。

株式相場は民主党政権への不安などを背景に売り込まれたが、債券 市場は比較的に冷静に受け止められていた。

現物市場で新発10年物の302回債利回りは、前週末の終値と同じ

1.295%での横ばい推移が続き、午後2時前からは0.5ベーシスポイン ト(bp)高い1.30%で取引されている。

302回債利回りは9日に1.27%まで低下して、新発10年債として 3カ月半ぶりの低水準を記録したが、その後は1.30%を中心に小動き が続いている。

円が午後上昇

東京外国為替市場では、午後の取引で円が上昇した。麻生太郎首相 (自民党総裁)が衆議院解散の意向を示したことが伝わると、政局の先 行き不透明感を背景に株安が進行。リスク資産の圧縮に伴い円に資金を 戻す動きが強まった。

ユーロ・円相場は午前の取引で米株価指数の先物や日本株がプラス に転じる局面で、1ユーロ=129円88銭まで円安が進行。しかし、午 後は株価が下落幅を拡大する展開となったことから、3時過ぎに128円 9銭まで円が値を戻している。

ドル・円相場は午前に1ドル=92円95銭まで円が売られる場面も みられたが、午後3時過ぎに92円10銭まで水準を切り上げている。

また、午後の取引ではドルの買い戻しも活発化。ユーロ・ドル相場 は一時1ユーロ=1.3898ドルと、前週末のニューヨーク時間午後遅く に付けた1.3936ドルからユーロ安・ドル高が進んでいる。

一方、米国ではあす14日のゴールドマン・サックス、インテル、 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などを皮切りに、企業の決 算発表が本格化する。

企業業績の悪化が再確認された場合は、リスク回避圧力が強まる可 能性がある。ただ、予想外に業績の底堅さが示されれば、株価の押し上 げ要因となり、円から高金利通貨に資金が向く展開もあり得る。

また、今週は米国で小売売上高などの経済指標 や連邦公開市場委 員会(FOMC)の議事録も発表される。

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