ドルと円の強気派増える-景気回復期待薄れ、レアルや豪ドル魅力減退

為替トレーダーが一段と米ドルや 円に強気になっている。今年の世界経済の回復に対する期待が薄れて いるためだ。

失業者増加と株式相場の下落を受けて、ブラジルのレアルやオー ストラリア・ドルといったリスクの高い通貨の上昇を見込む動きが減 退している。市場混乱時に米ドルや円は上昇することが多い。低金利 通貨を調達して高利回り資産に投資するいわゆるキャリー取引の解消 で、トレーダーが借り入れた円やドルを返すためだ。

ユーロと円、ポンド、カナダ・ドル、スウェーデン・クローナ、 スイス・フランに対する貿易加重ベースのパフォーマンスを示すドル 指数は3月4日に付けた今年の日中高値から6月2日に安値を付け るまで11.3%下落。その後は、ブラジルから中国に至るまで新興市場 国の当局者らがドルの優位性に疑問を投げ掛けたにもかかわらず、

2.4%上昇した。日本の今年1-3月期の成長率もマイナス14.2%と 先進国で最悪だったにもかかわらず、円は16主要通貨に対して、少な くとも6.15%上昇した。

フィッシャー・フランシス・ツリーズ&ワッツの外国為替責任者、 アドナン・アカント氏(ニューヨーク在勤)は「われわれは米ドルに 回帰した」と語る。同氏はつい3カ月前、米ドルと円が下落するとみ て、レアルのほか、世界経済の回復期に高いリターンをもたらすと見 込む複数の通貨に投資していた。

ブルームバーグ集計データでみて今年1-6月期(上期)のドル の対ユーロ相場見通しが最も正確だったドイツ銀行は、同相場が10 日の1ユーロ=1.3936ドルから約17%上昇して2010年までに1.20 ドルを付けると予想する。ブルームバーグ・ニュースがまとめたストラ テジスト48人の予想中央値によれば、ドルは対ユーロで今年はもう 下落せず、年末はほぼ変わらずの1.40ドルとなる見通しだ。

通貨のプット(売る権利)オプションとコール(買う権利)オプ ションの傾きを示すリスク・リバーサル率によると、トレーダーらは ドルの対レアル相場について、米S&P500種株価指数が12年ぶりの 低水準を付けた2週間後の3月23日以来で最も強気だ。ブルームバー グのデータによれば、ドル・レアルの1カ月物オプションのコール価 格は10日にプットを5.27ポイント上回った。

円の対豪ドル相場についてもトレーダーは3月20日以来で最も 強気となっており、3カ月物コールの価格がプットを5.19ポイント 上回った。

*T

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE