首相の早期解散模索で政局緊迫-「14日断行」報道も(Update1)

12日投開票された東京都議会議員 選挙で民主党が54議席を奪取して第一党に躍進し、自民、公明の連 立与党は過半数割れに追い込まれた。5日の静岡県知事選に続く敗 北で、苦境に立つなか麻生太郎首相(自民党総裁)は、衆院の早期解 散を模索。14日にも解散するとの報道もあり、これに慎重な勢力との 綱引きで政局は緊迫の度を増している。

共同通信は13日未明、首相は衆院の早期解散に踏み切る意向を 固め、自民党幹部らに12日夜に伝えた、と報道。13日の政府与党連 絡会議で解散について自らの見解を表明するという。首相は14日に 解散し、27日公示、8月8日の投開票を想定しているとも報じている。 取材源は明示していない。また、共同は13日午前、政府筋からの情 報として首相が同日中に閣僚懇談会の開催を検討しているとも報じ た。

河村建夫官房長官は13日午前の定例記者会見で、都議選の自 民党敗北について「厳しい結果になったが、この結果がただちに総理 の責任問題に問われることではない」と明言。衆院解散の時期につい ては「諸般の事情を考慮して、適時適切に首相自ら判断されると考え ている」と述べるにとどめた。

慶応大学大学院の曽根泰教教授は7月9日、ブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで、都議選の民主勝利を予測した上で、その後の 政局について「選挙が終わったら自民党内政局だ。首相がそれを1週 間しのぎきれるかどうかだ。しのぎきれたら、解散を言うと思う」と述べ、 総裁選前倒しなど「麻生降ろし」の動きを抑え込むことができれば解散 に踏み切るとの見方を示していた。

首相は10日、イタリアでの主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)終 了後の内外記者会見で、都議選について「あくまでも地方の選挙。国 政に直接関連するものではない」と指摘。その上で、衆院解散に関して 「いろいろな諸条件を十分に勘案して近々判断させていただきたい」と 語っている。

一方、民主党の岡田克也幹事長は13日未明、都議選の勝利を受 けて「民主党は民意に従い、政権交代を賭けた最後の決戦に臨みま す」との談話を発表した。鳩山由紀夫代表は10日の日本記者クラブ での会見で、衆院への内閣不信任案の提出について、13日に幹部で 協議することを明らかにした。

東京都選挙管理委員会によると、都議選の投票率は54.49%と4 年前より10.50ポイント上昇しており、有権者の関心の高さを示した。 42選挙区127議席のうち、自民は現有48から38に激減、公明は同 22から1議席上積みし23としたが、連立与党の合計では61議席にと どまった。民主は現有34から54に躍進し、初めて都議会第1党とな った。

自民・菅氏:首相は強い意志で解散に臨む

都議選の敗北を受け、自民党内の「麻生降ろし」に向けた動きが、 激化しそうだ。また、公明党や自民党内の麻生首相を支持してきた勢 力の中にも、早期解散に慎重な意見が出ている。

曽根氏は「7派が麻生首相を支えた。その人たちがみんな手を引く かが重要だが、手を引くときのロジックは難しい」と述べ、麻生派を除く 自民党7派閥の領袖クラスの動向が党内政局の鍵を握ると見ている。

麻生首相が解散に踏み切れば、2005年8月の小泉純一郎首相 (当時)の「郵政解散」以来、4年ぶりとなる。党内の慎重論を押し切っ ての決断だったが、この際は、解散詔書への署名を拒否した島村宜伸 農水相を罷免した。

首相の盟友とされる自民党の菅義偉選挙対策副委員長は12日午 前、フジテレビの「新報道2001」で、麻生首相の心境について「経済 対策がしっかり成果を現してきていると思っているので、強い意志で解 散には臨むだろう」と明言。さらに、反対した閣僚を罷免してでも解散 に踏み切る決意を「総理は持っておられると思う」とも語った。

一方、公明党の北側一雄幹事長は都議選の結果を受けた記者会 見で、「どうしていくのかを検討する時間が必要かもしれない。麻生首 相が今回の選挙結果をどう受け取るかが大事だ」と述べ、早期解散に 慎重な姿勢を示した。北側氏の発言は13日朝のNHKニュースが報 じた。

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