ゴールドマンのビジネスモデル絶好調-懲りない他社模倣も

米ゴールドマン・サックス・グル ープは、過去最高を記録した2007年以来最大の利益計上に向かって まい進している。来週発表の09年4-6月(第2四半期)決算は、 金融機関が公的支援を受ける前のウォール街で羨望(せんぼう)の的 だった同社ビジネスモデルの健在ぶりを誇示する内容となりそうだ。

ロイド・ブランクフェイン最高経営責任者(CEO)は自社の資 本を投じるとともに借入金も使ってリスクを取る事業モデルで、ゴー ルドマンをウォール街で最も高報酬の金融機関にするのに一役買った。 アナリスト予想によれば、14日発表のゴールドマンの第2四半期決算 は1株当たり利益が米主要金融機関15社中で最大となるもよう。競 合他社がリスクテークを控えるなかで、ゴールドマンはトレーディン グ利益を拡大させたほか、株式発行や起債関連の手数料収入も増やし たと、バークレイズ・キャピタルのアナリスト、ロジャー・フリーマ ン氏はみている。

昨年9月の米証券会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングス 破たんや米保険アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) の経営不安を受け、信用収縮が世界経済を揺るがすことへの懸念から 米政府は約2000億ドルの税金を投じて金融機関を支えた。ゴールド マンも100億ドルの注入を受けたが、既に同資金の返済を終えている。

フリーマン氏は「政府によるすべての支援メカニズムが整った後、 基本的には通常通りに業務ができたということだ」と述べた。

自由

米財務省に公的資金を返済したゴールドマンは、報酬に関する政 府の制限から自由になった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたア ナリスト25人の予想平均によると、ゴールドマンの第2四半期利益 は22億ドル、1株当たり3.57ドルが見込まれる。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のアナリスト、ガイ・モスコ ウスキー氏は9日、ゴールドマンの今年のトレーディング収入が過去 最高だった2007年11月期を上回りそうな勢いだとし、リーマンや ベアー・スターンズなど競合他社が姿を消したことがゴールドマンへ の追い風になっていると指摘した。

モスコウスキー氏は投資家向けリポートで、ゴールドマンの「リ スクテークおよびリスク管理の能力は比類が無い。同業他社のリスク テーク意欲が低下している現在の市場環境では、こうした能力がたっ ぷりと報いられる」と記している。同氏はゴールドマン株の投資判断 を「バイ(買い)」と従来の「ニュートラル(中立)」から引き上げた。

基本的な疑問

ジョージ・ワシントン大学の法科大学院で銀行関連の問題を専門 とするアーサー・ウィルマース教授は、ゴールドマンの決算はウォー ル街について「基本的な疑問」を提起するかもしれないとして、「われ われは従来通りに戻ることが良いこと、望ましいことだと考えている のだろうか」と問い掛けた。

危機前には、大規模な自己勘定トレーディングで大きな利益を上 げるゴールドマンのビジネスモデルを、メリルリンチやシティグルー プが模倣し、最悪の結果を招いたと同教授は指摘。各社が再びゴール ドマンの真似をしたいという誘惑に駆られることが不安だとして、「規 制当局は懸念を抱き、『ゴールドマンはこのような利益を上げるために、 慎重さを欠いていることはないだろうか』と問うべきだ」と述べた。 また、「ゴールドマンと同等のスキルとリソースのない他社が同社の真 似をすることをわれわれは望むだろうか」との疑問も呈した。

モスコウスキー氏の試算によると、ゴールドマンの今年の報酬総 額は179億ドルと、昨年の109億ドルから64%増える公算がある。 同社がウォール街の歴史を塗り替えた07年の報酬総額は202億ドル で、このうちブランクフェインCEOは6850万ドルを得た。

先陣

ゴールドマンを皮切りに、米金融機関の決算発表が始まる。来週 後半にはほかに、JPモルガン・チェースやシティグループ、BOA も決算を発表する。モルガン・スタンレーの発表はその翌週となる可 能性がある。

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