スズキと三菱自、北米市場からの撤退迫られる公算も-販売低迷で

スズキと三菱自動車は、米国での 販売減や北米工場の過剰生産能力で厳しい状況にあり、四半世紀を経 て北米市場からの撤退を余儀なくされる可能性がある。

国内自動車4位のスズキは、北米市場での2009年6月の販売台 数が78%減になったと発表。1-6月(上期)では60%減と、同市 場で最大の落ち込みとなった。三菱自は今年に入り51%減少し、03 年に始まった販売低迷から抜け出せていない。

富国生命投資顧問の桜井祐記社長は、スズキも三菱も「米国から 撤退した方がいい」とした上で、「高いコストを払ってでも米国でビジ ネスを続けるか、止血するか、決断せざるを得ない時期に来ている」 と言及した。

リセッション(景気後退)や失業率の上昇、消費者心理の冷え込 みが影響し、米国の1-6月の自動車販売は1976年以来の低水準に 落ち込んだ。米ゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーは破た んし、トヨタ自動車も赤字決算となった。

ストラテジック・ビジョンで自動車調査の責任者を務めるアレク サンダー・エドワーズ氏は、「スズキと三菱自は、消費者に最初に購入 対象として検討させることにさえ四苦八苦している」と指摘。ストラ テジック・ビジョンが調査する35のブランド中、現在両社が「下位5 ブランド」に入っており、脱却には米国でのマーケティング予算を増 やす必要があるとの見方を示した。

「決してあきらめない」

三菱自の益子修社長は9日、「米国市場は決してあきらめない」と 言明。「米国はナンバーワンの市場にまたなる」と述べた。

三菱自は昨年度、北米市場で236億円の赤字を計上。これは世界 全体での赤字額(549億円)の43%に相当する。スズキは北米市場で 241億円の赤字となり、地域別では唯一の赤字となった。世界全体で は274億円の黒字だった。

昨年のスズキの米国販売台数は8万4865台で、前年比17%減。 三菱自は9万7257台で同25%減少した。

両社はまた、北米で稼働率の低い組立工場を複数抱えている。カ ナダにあるスズキとGMの合弁工場「カミ・オートモティブ」では今 年、スポーツ型多目的車(SUV)「XL7」の生産を中止した。

生産減少

業界紙オートモーティブ・ニュースによると、三菱自の米イリノ イ州ノーマル工場での生産は今年に入り83%減少した。

CSM・ワールドワイド・ジャパンのシニアマネジャー、西本真 敏氏は、ノーマル工場の稼働率が生産能力の10%にとどまっており、 年内に閉鎖される可能性があると指摘。三菱自は「米国で売れ筋の自 動車を作っていない」と述べた。

三菱自の広報担当、西崎文雄氏は、ノーマル工場の閉鎖は予定し ていないとしている。

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