円強含み、株軟調でリスク回避圧力-世界景気の早期回復期待が後退

東京外国為替市場では円が強含 み。世界景気の早期回復期待が後退するなか、日本株が下落に転じた ため、リスク回避を目的とした外貨売り・円買いに圧力がかかった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=130円半ばからじりじりと値を切り 下げ、午後には一時、128円74銭まで円高が進んだ。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の酒井聡彦営業推進役は、「2日 の米雇用統計で予想比弱めの数字が出たことから、アセットマーケッ ト(資産市場)が弱含みで推移しており、為替では特にクロス円(ド ル以外の通貨の対円相場)中心に円高地合いが続いている」と説明。 「為替・債券・株式ともに楽観相場が終えんを迎えたと考えており、 今後3カ月から6カ月の期間でそうしたポジションの修正が行われ る」とみている。

ドル・円相場も1ドル=93円台前半から一時、92円48銭まで 円が上昇。酒井氏は、「10日設定の投信で円売りが進むとの見方が あったが、募集規模が非常に小さく、結果的に円買いが再度進む格好 になっている」と説明する。日興アセットマネジメントの広報による と、新興国のソブリン債投資を中心とする投資信託、「日興ピムコ・ ハイインカム・ソブリン・ファンド」は募集総額3000億円に対し集 まったのは49億円程度という。

リスク回避圧力

米雇用統計をきっかけに世界景気の先行き懸念が強まるなか、今 週は株価や商品相場の下げ基調が鮮明化。外国為替市場でもリスク回 避の動きが強まり、資源国通貨や新興国通貨、欧州通貨に振り向けて いた資金を超低金利の円やドルに回帰させる動きが活発となった。

円は8日に対ドルで一時、約5カ月ぶり高値となる91円81銭 まで上昇。対ユーロでは5月中旬以来となる127円2銭まで円高が 進んだ。

9日には欧米株式相場や原油先物が反発したことから円高も一服。 しかし、世界景気の先行き不透明感が強まるなか、株価や商品相場の 下値不安は根強く、この日の東京市場でもリスク回避に伴う円買い圧 力がくすぶる展開となった。

野村証券金融市場部の高松弘一エグゼクティブマネジャーは、株 式相場を中心に景気回復に対する楽観論が先行していただけに、「現 実的には景気回復までまだまだ時間がかかるということになれば、ド ル・円、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)ともに円高方向を気 にしなければならない」と指摘。来週も株や原油相場の動向次第で円 高圧力が再燃する可能性があるとみている。

米金融機関の決算を警戒

10日の東京株式相場は反発して始まったものの、その後マイナ スに転じ、日経平均株価は結局、小幅ながら昨年7月以来となる8営 業日続落で取引を終了した。

三菱UFJ信託銀の酒井氏は、来週ピークを迎える米金融機関の 4-6月決算発表は「ネガティブ・サプライズの可能性が高く、株式 市場は一段と調整する」と予想。その上で、資産市場の調整色が強ま るなか、ドル・円の90円やユーロ・円の125円台といった円高水準 が視野に入ってきていると指摘する。

--取材協力 吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,

Hidenori Yamanaka

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