イラク石油相:ナシリヤ油田交渉、資金面の調整残す(Update1)

来日中のイラクのフセイン・アル・ シャハリスタニ石油相は10日、記者団に対し、日本の企業連合とイタ リア企業の間で獲得競争になっているイラク南部ナシリヤ油田の開発 契約について「残すは資金面での調整だけだ」と述べた。

経済産業省と外務省が開催したイラク投資セミナーに出席するた めに来日した同氏は、企業側が提示した条件について「技術的な分野 の分析はすでに終えており、今後、資金面について議論をしなければ ならない。それが終われば交渉の最終段階に入ることが可能になる」 との見通しを示した。

現在、新日本石油と国際石油開発帝石、日揮の3社の企業連合と、 イタリア石油大手Eniがナシリヤ油田の開発契約獲得に向けた競争 を繰り広げている。シャハリスタニ氏は9日夜のブルームバーグ・ニ ュースなどに取材に対し、開発契約を結ぶ企業を「2-3週間以内に 決定する」と話した。開発契約をEniに委託したうえで日本の企業 連合にはナシリヤ周辺での製油所建設を発注するという折衷案も「検 討する」と述べた。イラク政府はナシリヤ周辺に処理能力日量30万バ レル規模の製油所建設を計画している。

みずほ証券の塩田英俊シニアアナリストは「資金力のある大国や、 オイルメジャーのような財政支援なくしてイラクの生産量拡大は不可 能」とし、「日本は全く領土的な野心がないので、イラクにとっての最 良のパートナーとなるだろう」と指摘した。

シャハリスタニ氏によると、現在ナシリヤ油田の原油生産能力は 日量2万バレル。これを最終的には40万バレルまで拡大したい考えだ。

10日のセミナーでシャハリスタニ氏は、イラク政府が石油分野の 復興のために今後5-6年以内で500億ドル(約4兆6500億円)の投 資を必要としていることを明らかにした。このほか、現在日量54万バ レルの国内製油所処理能力を2017年までに日量150万バレルまで拡大 する計画を示すとともに、原油生産量を15年末までに日量600万バレ ルまで増やすことを目指していると強調した。現在のイラクの原油生 産量は240万バレル。

イラク投資セミナーは、日本企業によるイラクへのインフラ投資 を促し、同国からのエネルギー供給確保やイラク国内の安定化につな げることを目的に開催された。シャハリスタニ氏は10日午後、新日石、 国際石油開発帝石、日揮の幹部と会談する予定だという。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE