PIMCOの正直氏:低成長の日本で債券は有力投資先(Update1)

債券ファンド最大手、米パシフィ ック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)日本部門、ピム コジャパンの正直知哉ポートフォリオマネジャーは日本では中長期的に 潜在成長率が一段と低下するとの見通しのもと、債券は有力な投資先で あるとの見方を示した。インタビューは8日に行った。

同社が5月にまとめた世界経済の長期展望において、当面は先進国 と新興国の間に格差があるにせよ成長率は総じて低く抑えられ、インフ レも抑制された状況が続くと分析。また、各国中央銀行が金融緩和から の「出口戦略」に踏み出すのは市場の想定以上に難しいと予想した。

日本に関しては過剰な設備、雇用のストック調整が避けられず、そ の過程ではディスインフレ(インフレ率の低下)の圧力が強くかかると 見込む。そのうえで、正直氏は、日銀が金融引き締めに転じるのはかな りの期間にわたって展望しにくいとみており、「国債の供給が増えるな かでも、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を勘案すると、短 期から5年程度の中期ゾーンにかけては魅力的」との見方を示した。

今後1年くらいを見渡すと新発10年国債利回りは1.0%-1.7%程 度で推移すると想定している。正直氏は現在のマクロ環境からは債券を 持たざるリスクは大きいと考えており、基本的には短い年限を中心に保 有残高を維持しながら、「長期債についてもしばらく待って1.4%程度 を超えてきた段階では買いを入れていく」とのスタンスだ。

もっとも、先進国における日本からの輸出品の需要が減退して、今 後は貿易黒字のすう勢的な縮小が避けられないため、国内貯蓄の減少に 伴って財政のリスクプレミアム(金利の上乗せ)が高まるとも指摘。こ の結果、時間の経過とともに長期金利に上昇圧力がかかりやすくなるこ とへの対応として、当面は長期ゾーンについても押し目買い姿勢で臨む が、いずれは短中期債への入れ替えのタイミングを探っていく。

10日午後の現物市場で、2年国債利回りは0.225%、5年国債利回 りは0.65%をつけ、いずれも2005年以来の低い水準に到達した。新発 10年国債利回りは前日比横ばいの1.295%で取引されている。

物価連動国債に妙味

また、物価連動国債には投資妙味があるともいう。実質金利は今後 も低位安定するとの見通しのもと、潜在成長率は現在の1%前後の水準 からさらに下がる可能性も秘めるなかでも、デフレをすでに織り込んで

2.8%程度で推移する物価連動国債は相対的に割安にあると指摘する。

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