米財務省の不良資産処理計画、PIMCO抜き発進-規模も小粒で形骸

銀行の不良資産処理に向けた米政府 の計画は、財務省の提案から4カ月後にいよいよ始まることになった が、当初に同計画を支持した米パシフィック・インベストメント・マ ネジメント(PIMCO)は参加を見送った。

財務省は8日、官民投資プログラム(PPIP)に参加する民間 側の運用会社9社を発表した。9社にはブラックロックやインベスコ が含まれていたものの、債券ファンド世界最大手のPIMCOの名前 はなかった。同社は3月に参加の意向を表明していたが、計画の設計 が不透明なことを理由に6月に参加申し込みを撤回していた。

PPIPは規模も400億ドル(約3兆7300億円)と、当初想定 された1兆ドル規模に比べ小粒。同プログラムは価値が下がった不動 産向け融資や住宅ローン担保資産を銀行から買い上げることを目指す ものだが、PIMCOが手のひらを返したことで、同計画の複雑な側 面や民間側が期待できるリターンに疑問符が付くとワーツ・アンド・ アソシエーツの調査ディレクター、エリック・ペトロフ氏は指摘した。 同社はシアトルに本拠を置く機関投資家向けコンサルティング会社。

ペトロフ氏は「私が最初に考えたのは、これで機関投資家が参加 にかなり慎重になるということだ」と述べた。PPIPは「複雑なモ ザイク模様」で、ターム物資産担保証券ローン制度(TALF)など 政府の他のプログラムに比べて「リターンが不透明だ」と話した。

ガイトナー財務長官は3月に、銀行のバランスシートから不良資 産を一掃し金融市場を復活させる決め手としてPPIPを打ち出した。 PIMCOのビル・グロス共同投資責任者(CIO)は当時インタビ ューで、これを「当事者全員が得をする」プログラムと高く評価して いた。

PIMCOの広報担当者、マーク・ポーターフィールド氏は同社 が参加を見送った具体的な理由についてはコメントを控えた。

大手米銀19行は3月以降に1000億ドル超を調達しており、危 機感はやや薄れている。独立系ファンドコンサルタントのジョフ・ボ ブロフ氏はPPIPについて、「当初計画が形骸(けいがい)化した姿 にすぎない」と述べた。

発表によると、政府は最大300億ドルを投資し、民間9社はPP IP向けに計100億ドル以上を調達する。各社はそれぞれ12週間以 内に最低5億ドルを集めなければならない。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE