仏アレバ:1兆ドルの原発市場で契約増狙う-欧州での優位性活用

原子炉製造最大手の仏アレバは 世界市場での原発ビジネス拡大に向け、ライバルである東芝傘下の 米ウエスチングハウス・エレクトリック(WH)をリードする地元 の欧州市場での優位な立場を利用して、全世界で1兆500億ドル (約97兆9420億円)規模に上る契約獲得を有利に進めることを 狙っている。

アレバの新型原子炉、革新型加圧水型炉(EPR)は、欧州連 合(EU)域内で計画あるいは建設中の41基の原子炉のうち少な くとも11基で採用された。一方、WHが提供するAP1000加圧 水型炉(PWR)はこの20年余りEU域内での建設実績がない。

世界原子力協会(WNA)によると、中国、ブラジルなどを含 め全世界で向こう8年間に最大180基の原子炉の建設が完了する 可能性があり、さらに282基の建設が計画されている。アレバと WHの競争相手は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製 作所の合弁会社(日立GEニュークリア・エナジー)、ロシアのZ AOアトムストロイエクスポルト、韓国電力公社など。

スターン・アジー・アンド・リーチのニューヨーク在勤アナリ スト、ベン・エリアス氏は「アレバはライバルとの競争で優位に立 っている」と述べた。アレバはウラン供給や核廃棄物処理も行って いることから、それを含めた「原子炉運営で事業者を支援する」と みており、「これは中国やインドの顧客にとって重要なことだ」と 指摘した。

アレバのマーケティング担当副社長、ミシェル・セルッティ氏 によると、各国が石油・ガス輸入の依存度を減らし、地球温暖化防 止に取り組むなか、同社は2030年までに世界各地で建設される原 子炉約300基のうち3分の1の契約獲得を目指している。

アレバの資金調達

アレバは6月30日、事業拡大のための増資計画を明らかにし、 戦略的パートナーに約15%の自社株を譲渡する方針を示した。同 社のアンヌ・ロベルジョン最高経営責任者(CEO)によると、出 資受け入れ額は約30億ユーロ(約3884億円)に上る。また、事 業拡大に向けて今後2年間で100億ユーロの投資を計画している と説明した。同CEOは同社株式の譲渡先候補として三菱重工業も 挙げており、提携関係を拡大する余地があると述べた。

ウエスチングハウス

ウエスチングハウスによると、同社の技術は現在世界で稼動す る原子炉の約5割で採用されており、米国内では6割に達する。W NAによれば、世界では現在436基の原子炉が稼動している。

同社の広報担当者ボーン・ギルバート氏によると、米電力事業 者は14基の新原子炉建設計画で同社の技術を採用し、このうちす でに6基の契約に調印した。また、同社は中国が原子炉建設計画の 大半でAP1000加圧水型炉を採用することを期待している。同社 が建設する中国での最初の原子炉は13年初旬に完了する見通し。 同社のウェブサイトによれば、同社は現在中国で4基のAP1000 加圧水型炉を建設している。

ギルバート氏によると、同社の08年売上高は37億ドルと、 1999年の8億ドルから拡大した。売上高のほぼ半分は米国外の事 業だった。

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