ロスチャイルド:日本でのM&A助言業務で60案件精査

ロンドン、パリを本拠地とするロス チャイルド・グループはM&A(企業の合併・買収)助言業務で、日本 での60以上のクロスボーダー案件の精査に着手した。新設したグローバ ル・アドバイザリー・ジャパンの日本代表である三竹恵一氏が9日まで に明らかにした。

三竹氏(59)によれば、現在、金融、電力、エネルギー、テクノロ ジー、小売、消費財、薬品などの分野で、日本企業と欧州やアジア企業 との組み合わせる国際的な海外M&A案件に関する調査、買手候補先と の接触などを始めたという。

ロスチャイルドは、野村グループとの提携の解消後に、三竹氏と共 同で日本のM&A助言業務のための専門会社グローバル・アドバイザリ ーを4月に設立。業績拡大や株主からの業績改善要請に応えるために国 境を越えた買収や事業展開を模索する日本企業と、資産売却に興味を示 す欧州企業との橋渡し役を目指している。

ウイングアセットマネジメントの羽賀誠代表取締役は、「ロスチャ イルドは日本ではメジャーなイメージはないが、伝統と実績のある名門 として知られている」と述べた上で、「案件がどこから来たかは投資銀 行ビジネスでは重要で、ロスチャイルドの信用力は日本の経営陣が同社 をアドバイザーに選ぶインセンティブになるだろう」と語った。

インセンティブ

ロスチャイルドは、日本の上場企業が国内の少子高齢化による需要 の減少から海外に出て成長の青写真を市場に示して行かねばならないと 見ており、クロスボーダーの案件は増加していくと分析している。

三竹氏はブルーバーグ・ニュースとのインタビューで、「ロスチャイ ルドから、多くの案件が持ち込まれている。サウンディングくらいのも のから、具体的なプロセスに入っているもの、パイプラインになるもの などがある」と述べ、欧州企業からの事業部門の売却や、出資を仰ぐ依 頼が数多くあることを明らかにした。

実績

ブルームバーグ・データの集計によれば、ロスチャイルドは欧州で のM&A助言ランキングで09年は現時点で10位。日本企業に関連する 海外企業の投資案件の総額は200億ドル(1.9兆円)と、08年の770億 ドルと比べて減少している。

三竹氏はこれまでドレスナー・クラインオート証券で投資銀行本部 長を務めていた。2007年にJT(日本たばこ産業)による英ギャラハー の買収案件に携わった上、米ウォールマートによる西友への資本参加を 05年に手がけたほか、りそなホールディングスによる06年のJCB株 式売却などの案件を助言した経験がある。

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