米国債:大幅続伸、景気後退の長期化懸念で入札好調

米国債相場は大幅続伸。景気回復 には予想よりも時間がかかるとの懸念から安全な逃避先としての買い 意欲が高まった。10年債入札(規模190億ドル)は需要が予想よりも 強かった。

10年債利回りは、米連邦準備制度理事会(FRB)が国債買い切 りを表明した3月18日以来の大幅な低下幅となった。10年債入札の 応札倍率は3.28倍と、過去最高を記録した。今週は入札が4回あり、 この日は3度目。発行総額は730億ドル。この日から本格化する4― 6月(第2四半期)の決算発表では減益が見込まれている。

サントラスト・バンクの個人資産管理部門のストラテジスト、 アンドルー・リッチマン氏(フロリダ州パームビーチ在勤)は「まだ リセッション(景気後退)下にあるため、需要は強かった」と指摘し た。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時41分現在、10年債利回りは前日比16ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.30%。一時は18bp低下の

3.278%と、5月21日以来の低水準を付けた。低下幅は3月18日以 来で最大。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償還)価格は1 9/32上げて98 1/2。

30年債利回りは一時、15bp低下した。これは過去5週間で最大。 9日には110億ドル相当の30年債入札が控えている。

10年債入札

10年債入札の結果によると、最高落札利回りは3.365%と、入札 直前の市場予想の3.398%を下回った。投資家の需要を測る指標の応 札倍率は前回6月が2.62倍だった。過去10回の平均は2.40倍。

海外中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合は43.9%。 前回は34.2%だった。過去10回の平均は27.9%。

MFグローバルの仕組み商品・新興市場の共同責任者、アンドル ー・ブレナー氏は「本格的な質への逃避の動きとなっている。すべて は景気の下振れを示唆しており、米国債への需要が旺盛だ」と述べた。

今回の入札は5月6日に実施された10年債(発行額220億ドル、 2019年5月償還)の2度目の追加発行。6月には190億ドルが追加 発行され、利回りは3.99%と2008年8月以来の高水準だった。

株から国債へ

米国株市場では下落した銘柄が多く、S&P500種株価指数は

0.2%下落した。

ICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のストラ テジスト、ポール・ホーマン氏は「株式市場から資金が流出し、主に 米国債に流入している。株価が下落し、小口の質への逃避買いが入っ ている」と指摘した。

米国債入札では特に間接入札からの需要が高まっている。7日の 3年債入札では応札全体に占める割合が54%と、6月の43.8%から上 昇した。

最近の入札で間接入札の割合が上昇していることについては、規 則の変更により、一部の顧客がディーラーの分類から外れたことが影 響している可能性がある。

中長期債の発行額は上半期に9630億ドルと2倍超に膨らんだ。 バークレイズによると、年末までにさらに1兆1000億ドルの国債が 発行され、下期だけで2008年の通年を上回る可能性がある。

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