G8首脳宣言:温室効果ガス、50年までに先進国が80%以上削減

主要国首脳会議(ラクイラサミッ ト)が8日午後(日本時間同日夜から9日未明)開かれ、世界経済や 気候変動問題などに関する首脳宣言を発表した。温室効果ガスの削減 に関し、2050年までに先進国全体で80%またはそれ以上削減するとの 目標を盛り込み、新興国にも排出量削減に向けた行動を取るよう促し たのが特徴だ。

昨年の洞爺湖サミットで主要8カ国(G8)は、「2050年までに 世界の温室効果ガス排出量を半減」するとの長期目標で合意したもの の、中国、インドなど新興国からの同意は得られなかった。今回、G 8が先進国として世界全体よりも厳しい目標を設定したことで、9日 にラクイラで開催される「主要経済国フォーラム」(MEF)に参加 する新興国が何らかの目標受け入れで譲歩するかが焦点となる。

ただ、中国は胡錦濤国家主席が新疆ウイグル自治区で少なくとも 156人が死亡する大規模な暴動が起きたことなどからサミット関連会合 への出席を見合わせており、新興国側の対応は不透明だ。

首脳宣言は、温室効果ガスの削減を比較する基準年については、 1990年、あるいはそれより最近の年とした。日本政府はこれまで長期 目標を「50年までに現状から60-80%削減」としており、今回のG8 でより厳しい目標設定に同意したことになる。

世界経済は「安定化の兆候」もリスク存在

首脳宣言は世界経済の現状認識について「安定化を示す兆候があ る」としながらも、「状況は依然として不確実であり、経済・金融の 安定に対する大きなリスクが引き続き存在」と景気の再度の下振れを 警戒していく必要性を指摘した。

各国や中央銀行が講じた財政出動や金融緩和などの危機対応策を 元に戻すための「出口戦略」に関しては、「国によって異なるが、長 期的に持続可能な回復を確保するものである必要がある」と言及。マ クロ経済に関する記述は、6月のG8財務相会合の共同声明をほぼ踏 襲した内容となった。

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは会議開幕前、 政策金利の維持などを決めた先日の米連邦公開市場委員会(FOM C)を引き合いに、「出口論を急ぐ雰囲気ではなくなり、しばらく金 融緩和が続きそうになっている」と語っていた。

日本外務省幹部は日本人記者団に対する説明で、出口戦略を議論 することについては同意があったが、ただちに発動すべきではないと いう点も同時に意見の一致を見ているとの認識を示している。また、 この日の会合では基軸通貨や米国債に関しては議論されなかったとい う。

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