NY外為:円が続伸、一時対ドル91円台-リスク回避が継続

ニューヨーク外国為替市場では円 が対ドルで7カ月ぶりの大幅上昇。対ユーロでも値上がりした。米国 の企業業績が落ち込むとの懸念を背景に、世界的な景気回復に伴う円 先安感を見込んだ取引が解消され、円の買い戻しが優勢となった。

英国ポンドは対ドルで下落。一時は1ポンド=1.60ドルを割り込 んだ。イングランド銀行(英中央銀行)が9日の金融政策委員会で資 産購入プログラムを拡大し同国の通貨供給量を増やすとの観測が高ま った。円は主要16通貨すべてに対して続伸。南アフリカ・ランドとオ ーストラリア・ドルに対して特に買いを集めた。

MFCグローバル・インベストメント・マネジメントのマネーマ ネージャー、ジャック・アイル氏(ボストン在勤)は、「円の動きに は誰もが目を奪われた」と指摘。「決算シーズンは報復で始まった。 スタンスはリスク回避だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時23分現在、円は対ドルで1ドル=92円 74銭(前日は同94円89銭)。一時は3.3%高の同91円81銭と、日 中取引としては11月12日以来の上昇率となった。円は対ユーロで2.6 %高の1ユーロ=128円67銭(前日は同132円13銭)。一時は同127 円2銭と、5月18日以来の高値を付けた。ユーロは対ドルで0.4%安 の1ユーロ=1.3875ドル(前日は同1.3924ドル)。

円は対ドルで93円50銭を突破すると上昇を加速。TDセキュリ ティーズの主任通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏(トロ ント在勤)によると、この水準に損切りの円買い注文が設定されてい た。

オズボーン氏は「市場は1ドル=100円を視野に円安を見込んでい た」と説明。「短期や中期の投資家による大幅なポジション調整が見 られる」と述べた。

混乱の時期

円は通常、金融混乱の時期に買われる。貿易黒字国の日本は海外 からの融資に依存しなくても済むとの見方からだ。

円は対オーストラリア・ドルで一時5.5%高と、日中取引では2月 10日以来の大幅上昇。対南アフリカ・ランドでは一時5.3%値上がり。 米企業の業績見通し悪化と株式相場の下落が高利回り資産の需要を減 退させるとの観測が高まった。日本銀行の政策金利0.1%に対し、オー ストラリアは3%、南アフリカは7.5%。

円は対ユーロで、過去5カ月以上で最長となる4日続伸。内閣府 がこの日発表した5月の機械受注が3カ月連続で前月比マイナスとな ったことを受け、海外資産を売って資金を本国に還流させる動きが強 まった。

ポンドが安い

英国ポンドは対ドルで一時1%下げ、8日以来の安値を付けた。 英商工会議所(BCC)は7日付リポートで、イングランド銀行(英 中央銀行)は量的緩和プログラムを承認されている1500億ポンド(約 23兆1600億円)の枠いっぱいに拡大し、さらに拡大するための承認を 求めるべきだとの見方を示した。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、イングラ ンド銀行は9日の金融政策委員会で同プログラムの規模を現行の最大 1250億ポンドに維持する見通しだ。

主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)がこの日開幕。ロシアや インドは先週、世界経済はドルへの依存度が高すぎるとの見方を示し ていた。

中国の胡錦濤国家主席は新疆ウイグル自治区で大規模な暴動が起 きたため、イタリア訪問を中断した。

UBSのアナリスト、ガレス・ベリー氏(ロンドン在勤)は8日 付顧客向けリポートで、「ドルに代わる準備通貨を創設する構想は中 国が提唱を率いてきた」と記述。「G8首脳宣言に準備通貨制度の改 革について具体的な提唱が盛り込まれるとは考えにくい」と述べた。

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