日ケミカル株が3年ぶり高値、バイオ後続品で先行-抗体医薬に挑戦

成長ホルモンが主力の日本ケミカル リサーチ株がこの日の高値で終え、前日比5.3%高の655円と2006年 7月5日以来、約3年ぶりの高値水準を回復した。「バイオシミラー」 と呼ばれる廉価なバイオ後続品の開発に注力していく方針が示され、同 分野で先駆者になると期待された。

日ケミカルは7日の取引終了後、東京理科大学基礎工学部の村上康 文教授が起こした大学発ベンチャー「バイオマトリックス研究所」(千 葉県流山市)と抗体医薬品の開発技術にかかる共同研究契約を締結した と発表した。バイオマトは、膜タンパク質に対する高性能抗体の開発技 術を確立。バイオマトの志岐正広氏は、「詳細は公表出来ないが、技術 はほぼ確立できるとみて、事業化を目指す」としている。

日ケミカルは「生物由来製剤」と呼ばれるバイオ医薬品の後続品の 開発で先行、人工透析を行う患者の貧血症状改善を図る遺伝子組み換え エリスロポエチン(EPO)「JR-013」を厚生労働省に承認申請す るなど日本ではトップだ。

生物由来製剤以上に抗体医薬品の後続品開発は難しいとされるが、 同社総務部IR担当の三浦祐一氏は、「当社の完全無血清技術を用いれ ば、廉価な抗体医薬品がつくれるはず。生物由来製剤、抗体医薬の両面 からバイオシミラーに取り組んでいく」と話す。

「バイオシミラー」

大和総研新規産業調査部長で医学博士の浅野信久氏は、低分子化合 物の後発品を一般に「ジェネリック」と呼ぶのに対し、バイオ医薬品の 後続品は「バイオシミラー」と呼ばれていることに触れ、「先発品との 同等性をどう証明するか、どう審査するかを議論している最中。欧州で 一部認められても、米国ではガイドラインも定まっていない」ことから、 「バイオジェネリック」と呼ぶことができない状況という。

黎明期にもかかわらず、日ケミカルでは同分野に注力。浅野氏は 「ニッチな市場によく目を付けている」と指摘しつつ、今後は同等性の 証明や安全性、経済性など多くの課題を乗り越えなくてはならず、動向 を見守る必要がある、との認識を示していた。

日ケミカルの銘柄概要{4552 JP <Equity> BQ}

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