脅かされるゴールドマンなど大手銀の商品取引-CFTCが規制見直し

米ゴールドマン・サックス・グルー プや米モルガン・スタンレーは、昨年原油相場が1バレル当たり約147 ドルに達した時のように商品市場で自由に取引する余裕を失うかもし れない。

米商品先物取引委員会(CFTC)は今月公聴会を開き、原油や ガスなどエネルギー市場での規制強化を検討する方針だ。1990年代以 降、ゴールドマンやモルガンにとって先物やスワップ、店頭市場で数 十億ドル規模の投資を可能にしていた取引制限の免除規定の見直しも 計画している。

CFTCの元顧問で米法律事務所アーノルド・アンド・ポーター のシニアパートナー、ダン・ウォルドマン氏は「これらの企業は非常 に重要なスワップ取引の参加者であり、商品市場でのスワップ店頭取 引の非常に重要なディーラーでもある」と指摘。「これらの事業の一部 を遂行する能力が限定されれば、リスク軽減のため他の方法を見いだ すか商品スワップ取引の規模を縮小しなければならないだろう」と語 る。

金融サービス業界コンサルタント、イーサン・ラベージ氏(サン フランシスコ在住)が昨年、エネルギー価格が過去最高値に近づいた 際に示した推計によると、世界の投資銀行上位10行が2007年に商品 関連事業で得た収入は150億ドル(現在のレートで約1兆4000億円) に上り、そのうち約半分をゴールドマン・サックスとモルガン・スタ ンレーが占めた。

両行や英バークレイズの広報担当者はコメントを控えた。米JP モルガン・チェースとシティグループの広報担当者にもコメントを求 める電話をかけたが、応答はなかった。

BNPパリバ・コモディティー・フューチャーズ(ニューヨーク) のエネルギー担当シニアアナリスト、トム・ベンツ氏は「ここ数年間 見てきたことの多くは基本的な市場のファンダメンタルズ(需給関係) とは関係がない。投機の一部を減らすために何らかの措置が必要だ。 そのことに疑いの余地はない」と述べた。

CFTCが規制する取引所は、特定の参加者が市場をコントロー ルする能力が大きくなり過ぎないよう、独自の持ち高制限を設けるこ となどができる。

財務リスク

投資銀行は通常、問題となっている商品の実際の生産や消費にほ とんど関係のない事業の財務リスクに備えて商品市場での取引を利用 する。これが、相場と直接的な利害関係のあるエネルギー生産業者や 消費業者によるヘッジ取引との違いだ。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州)の創業者でポ ートフォリオマネジャーのジェームズ・コーディアー氏は「サウスウ エスト航空のような実際にヘッジ戦略を使っている会社やテキサス州 の生産業者でない限り、無制限に近い規模のポジションを保有する資 格を失うように聞こえる。現時点では望むだけ持ち高を保有すること ができる。ただ報告する必要があるだけだ」と語る。

米法律事務所ポール・ヘイスティングス・ジャノフスキー・アン ド・ウォーカーのパートナー、マイケル・ルイス氏は電話インタビュ ーで、ゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの事業者は「マー ケットメーカーだ」と指摘。「金融関連業者や銀行、ヘッジファンドな どの持ち高が制限されれば、取引の減少につながるだろう。取引の減 少は必ずしも相場下落につながるとは思わない」との見方を示す。

アイテ・グループ(ニュージャージー州)のシニアアナリスト、 ポール・ズブレーク氏は「流動性の欠如はコスト増につながり、コス トの増加分は消費者に転嫁される。政治はそれを認識することを拒否 している」と述べた。

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