消費者心理悪化に歯止め、水準低く不透明感も-日銀調査

(発表内容を追加します)

【記者:日高正裕】

7月8日(ブルームバーグ):景気が最悪期を脱しつつあることで、 消費者の間で、景気に対する実感の悪化にようやく歯止めが掛かりつ つある。ただ、水準自体が低いことに加え、雇用情勢は厳しさを増し ており、個人消費には引き続き逆風が吹いている。

日本銀行が8日発表した「生活意識に関するアンケート調査」(6 月調査)によると、景気が1年前から「良くなった」との回答の比率 から「悪くなった」との回答の比率を引いた「現在の景況感DI」は マイナス81.4と、今年3月の前回調査(マイナス88.9)から小幅な がら改善した。同DIが改善するのは2007年6月調査以来2年ぶり。

「現在の景況感DI」は改善したが、引き続き「悪くなった」 (81.9%)という回答が「良くなった」(0.5%)という回答を圧倒的 に上回っていることに変わりはない。5月の完全失業率は5.2%に上 昇。有効求人倍率は0.44倍と1963年の調査開始以来の最低を記録し た。雇用情勢は厳しさを増しており、消費者の景況感がこのまま上向 くかどうか、引き続き不透明感が強い。

景気判断の根拠については、「自分や家族の収入の状況から」 (42.5%)という回答が最も多く、次いで「勤め先や自分の店の経営 状況から」(41.9%)、「マスコミ報道を通じて」(36.8%)という 回答が多かった。調査は日銀が四半期に1度、20歳以上の4000人を 対象に行っている。調査期間は5月14日-6月9日で、有効回答率は

59.6%。

支出は「減った」が増加

現在の暮らし向きを1年前と比べた「暮らし向きDI」もマイ ナス57.0と前回調査(マイナス59.4)から小幅改善した。1年後を 現在と比べた「1年後の景況感DI」はマイナス9.9と前回調査(マ イナス33.5)から比較的大きく改善しており、先行きへの期待感が先 行している格好だ。

収入については、1年前に比べて「増えた」との回答が減少し、 「減った」との回答が増加した。1年前に比べた支出の増減について は、「増えた」との回答が減少し、「変わらない」「減った」との回答 が増加した。1年後を見た勤労者の勤め先での雇用・処遇の不安につ いては、「あまり感じない」との回答が増加する一方、「かなり感じ る」との回答が減少した。

物価については、1年前に比べて「ほとんど変わらない」、「下 がった」との回答が増加した一方、「上がった」との回答は減少し、 4割台後半となった。1年後の物価については、「ほとんど変わらな い」、「少し下がる」との回答が増加した一方、「上がる」との回答は 減少し3割台後半となった。

地価見通しDIは改善

1年前に比べて物価は何%程度変化したかを具体的な数値で聞い た質問では、極端な値を排除するため上下0.5%ずつのサンプルを除 いた「平均値」が3.5%上昇と、前回調査(6.4%上昇)から低下した。 1年後の物価についても2.2%上昇と前回調査(2.9%上昇)から低下。 5年後の物価が毎年平均何%程度変化するかについても3.4%上昇と 前回(3.8%上昇)を下回った。

先行きの地価については「下がる」との回答が減少し、「上がる」 「変わらない」との回答が増加したことから、「上がる」との回答の比 率から「下がる」との回答の比率を引いた地価見通しDIはマイナス

21.6と、前回調査(マイナス32.6)から改善した。

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