麻生首相、きょうからラクイラ・サミットに参加-政権浮揚は期待薄

麻生太郎首相は8日午後(日本時間 同日夜、イタリアで開幕する主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)に 出席する。総選挙を控え、得意とされる外交で得点を稼ぎたいところ だが、12日投開票の東京都議会議員選挙の結果次第では自民党 内の「麻生降ろし」が拡大しかねない政治状況にあり、サミットによる 政権浮揚効果は期待薄だ。

「わたしどもは世界経済というものを考えて、サミットでは間違い なく今後の見通し、各国が今後取るべき政策について率直な議論を しなければならない」-。麻生首相は6月30日、東京都内で開かれ た日本国際問題研究所の講演会で、サミットへの抱負を語った。

約2年間にわたって外相も経験している麻生首相にとっては、存 在を国内外にアピールする絶好の機会となるはずだが、直前の7月 5日に投開票が行われた静岡県知事選で与党候補が敗退するなど 首相への逆風は強まる一方だ。こうした国内政局の不安定化はサミ ットでの首相の発信力にも影響を与えかねない情勢となっている。

城西大学の霧島和孝教授は、サミットで麻生首相が存在感を発 揮できるかどうかについて「あまり期待できない。日本経済はほとん ど好転していないし、サミットでアピールするものは何もない。行くだ けになるのではないか」と分析している。

発信機会を自ら封じ込む-内政懇中止

サミットに集まる各国首脳との二国間会談も想定して7日未明(現 地時間)にイタリア入りしたが、同日中に首相と会談したサミット参加 国首脳は議長国イタリアのベルルスコーニ首相1人だけだった。9 日にはロシアのメドベージェフ大統領との会談も予定しているが、オ バマ米大統領ら他の首脳との会談は8日午前零時(日本時間同日 午前7時)現在、まだ決まっていない。

また、首相は同行記者団に対し、外遊中は恒例となっている「内 政懇談」と呼ばれる共同インタビューに応じない方針を伝えており、 国内外に向け考えを発信する機会を自ら封じ込んだ形だ。

G8のみは初日だけ、拡大会合に重心

1975年のフランス・ランブイエで開催された第1回サミットから数 えて35回目となるラクイラ・サミット。ラクイラでは3日間の全日程の うち、G8のみによる会合は初日の8日だけに絞り込まれ、新興国や アフリカ諸国の首脳など、さまざまな枠組みで行われる拡大会合の 方に、これまで以上に重心が移っている。

9日午前からの拡大会合はG8に、中国、ブラジル、インド、メキ シコ、南アフリカの新興5カ国(G5)とエジプトが加わった14カ国で 構成。世界経済や開発をめぐる問題などについて討議する。

9日午後には温室効果ガスの主要排出国16カ国(G8、G5に韓 国、オーストラリア、インドネシア)などが参加する主要経済国フォー ラム(MEF)を開催して温暖化問題などを協議。10日午前にはG8 とアフリカ諸国などとの会合も予定され、食料問題などが話し合われ る見込みだ。

ただ、新華社通信によると、5日からイタリアに入って拡大会合の 主役と目された中国の胡錦濤国家主席が新疆ウイグル自治区で 150人強が死亡する暴動が発生したことを受けて8日に帰国するこ とになった。戴秉国・国務委員が代わりに一連の会合に出席すると いう。

--取材協力:坂巻幸子、伊藤辰雄 Editor: Hitoshi Sugimoto, Norihiko Kosaka

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