米国株:大幅下落、業績不安やIT投資の縮小予想で

米株式相場は大幅下落。S&P 500種株価指数は5月1日以来の安値をつけた。IT(情報技術) 投資の減速予想や、4―6月期の企業決算が4カ月間にわたる株価 上昇を裏付ける内容にならないとの懸念が広がった。

ソフトウエア最大手のマイクロソフトや検索エンジンのグーグ ルが大幅安。調査会社ガートナーが今年のIT投資は6%減との予 想を示したのが手掛かりだった。

クレジットカード会社ディスカバー・フィナンシャル・サービ シズも急落。5億ドルの新株発行計画が嫌気された。全米最大の製 油業者バレロ・エナジーは、ガソリン価格の大幅安を材料に急落し た。

フィラデルフィア・トラストのリチャード・シーシェル最高投 資責任者(CIO)は、「これまでの株価上昇は急速過ぎた感じが ある。この先の決算発表シーズンを控え、あまり明るいムードでは ない。経済活動が年内に持ち直すかどうか、依然として多くの疑問 がある」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比2%安の881.03。ダウ工業株30 種平均は161.27ドル(1.9%)下落の8163.60ドルで終えた。ナス ダック総合指数は2.3%安の1746.17だった。

エネルギー株安い

アルミ生産のアルコアは8日、ダウ工業株30種平均銘柄では最 初に4―6月決算を発表する。ブルームバーグがまとめたアナリス トの予想平均によると、S&P500種採用企業の第2四半期(4- 6月)決算は34%減益、第3四半期が21%減となっている。今年 第1四半期は約60%減益だった。

S&P500種テクノロジー株価指数は2.5%下落。ガートナーは 電子メールで、世界的なリセッション(景気後退)が緩和しつつあ る兆しがみられる中で「IT予算はなお削減されており、消費者が 財布のひもを緩めるにはまだ多くの景気回復の確証が必要だ」と指 摘した。ガートナーが今年3月発表したIT投資予想では3.8%減 だった。

S&P500種のエネルギー株は2.5%安。ニューヨーク商業取引 所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1.75%安の1バレル =62.93ドルで終了した。需要が減少する中、米エネルギー省が8 日発表するガソリン在庫は増加が予想されている。石油のエクソン モービルやシェブロンが安い。

米当局がエネルギー先物取引の保有に制限を設ける可能性があ ることを明らかにしたのが手掛かりとなり、先物取引市場を運営す るインターナショナル・エクスチェンジとCMEグループが売られ た。

米商品先物取引委員会(CFTC)のゲーリー・ゲンスラー委 員長は7日付の文書で、同委員会が公聴会を開き、エネルギー市場 での投機的な取引に対し政府主導による規制を設ける是非を検討す ると明らかにした。

保険株高い

一方、エトナやシグナ、ユナイテッドヘルス・グループを中心 にS&P500種の保険株が上昇。ウォールストリート・ジャーナル紙 が、オバマ政権は民間企業に対抗する国営医療保険の設立を必ずしも 実行するとは限らないと報じた。

オハイオ州2位の銀行キーコープも上昇。KBWが同銀の高い資 本水準は商用不動産や建設関連での損失に対する緩衝材になるはずだ として、株式投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフ ォーム」に引き上げた。

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