米国債:上昇、リセッション長期化の思惑と入札好調で

米国債相場は上昇。10年債利回り は一時、過去1カ月余りの最低に低下した。リセッション(景気後 退)が長期化するとの思惑から、過去最高に上る米政府の借り入れに 需要が追いつかないの懸念が弱まった。

発行額350億ドルの3年債入札で、旺盛な需要から落札利回りが 5月以来の低水準になったことも支援材料。今週は4回の入札が予定 されており、発行総額は730億ドル。株式相場は下落。米大統領経済 顧問のローラ・タイソン氏は経済状況について「予想したよりも悪 い」と指摘。追加景気対策を検討すべきだとの見解を示した。

キャンター・フィッツジェラルドのチーフ債券ストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏は「需要は依然として強いが、利回りが 高い場合だ」と指摘。「景気はまだ非常にぜい弱で、将来は不透明だ。 不確実な要因はすべて長期債にとって好材料となる」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時26分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下の3.45%。一時は3.439%と、5月26日以 降の最低を付けた。10年債(表面利率3.125%、2019年5月償還)価 格は15/32上げて97 9/32。

30年債利回りは5bp低下の4.31%。ゴンキャルベス氏は「株式 相場が軟調で、長期債が恩恵を受けている。リスク資産から資金を引 き揚げるなら、長期債に資金を移すだろう」と語った。

3年債入札

3年債入札の結果によると、最高落札利回りは1.519%と、5月5 日の入札(利回り1.473%)以来の低水準となった。前回入札(6月9 日)は1.960%だった。

今回の入札では投資家の需要を測る指標の応札倍率が2.62倍と、 前回の2.82倍を下回った。財務省が昨年11月に3年債入札を再開し て以降、8回の平均は2.53倍。

海外中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合は54%と、 前回入札の43.8%を上回った。

BNPパリバ・セキュリティーズの米国債トレーディング責任者、 ジェフリー・フェイゲンウィンター氏は「質への逃避を意識した買い がかなり強いが、供給も拡大している」と指摘した。

追加景気対策の是非

タイソン氏は米国はインフラ投資に焦点を絞った景気刺激策第2 弾の取りまとめを検討するべきだと主張。2月に承認された7870億ド ル(約74兆9380億円)規模の刺激策は「やや小さ過ぎる」との見解 を示した。

同氏は7日のシンガポールでの講演で、現在の景気対策について 「良い影響を与えるだろうが、実体経済は予想されたよりも悪い」と 指摘した。ただ、第3、4四半期に影響が大きくなるとの見通しを示 した。同氏はオバマ政権の見解ではなく、私見にすぎないと強調した。

一方、新たな刺激策をめぐっては、2日前にバイデン米副大統領 と大統領経済諮問委員会(CEA)のグールスビー委員が、現在の刺 激策が完全実施される前段階で作成を議論するのは時期尚早と発言。 タイソン氏の今回の発言とは対照的な見解を示している。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネ ジメント(PIMCO)のファンドマネジャー、ポール・マカリー氏 は7日、景気対策の第2弾を実施する場合、長期的な財政規律を念頭 に入れるべきだとの見解を示した。

マカリー氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「テー ブルを叩きながら追加景気対策の必要性を訴える気にはなれないが、 頭に拳銃を突きつけられればイエスと言うだろう」とし、「だがそれ は計画に基づいたものでなければならず、口先だけでなく、財政規律 に配慮したものであるべきだ」と述べた。

中長期債の発行額は上半期に9630億ドルと2倍超に膨らんだ。バ ークレイズによると、年末までにさらに1兆1000億ドルの国債が発行 され、下期だけで2008年の通年を上回る可能性がある。

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