NY外為:円が上昇、米の業績悪化懸念で安全資産に買い

ニューヨーク外国為替市場では円 が対ドルでほぼ1カ月ぶりの高値に上昇。米国企業の業績悪化懸念か ら、日本の投資家が海外資産の換金売りに伴い安全資産である円買い を進めるとの観測が高まった。

英国ポンドは対ドルで4月以来の最長となる4営業日続落。英商 工会議所(BCC)がイングランド銀行(英中央銀行)に対し景気回 復を支援するため量的緩和プログラムの拡大を奨励したことが背景。 ユーロはポンドや南アフリカ・ランドなどを含む通貨に対して値上が り。独政府が発表した同国の5月の製造業新規受注指数が前月比で上 昇したことが手がかり。

みずほコーポレート銀行(ニューヨーク在勤)のシニア為替トレ ーダー、柳原秀敏氏は、市場ではリスク回避の取引が依然優勢だと指 摘。米経済の真の回復にはしばらく時間がかかるということを誰もが わかっていると述べた。

ニューヨーク時間午後4時8分現在、ドルは対円で0.6%安の1 ドル=94円75銭(前日は同95円35銭)。ユーロは対ドルで0.5% 安の1ユーロ=1.3915ドル(前日は同1.3984ドル)。ユーロは対 円で1.1%安の1ユーロ=131円85銭(前日は同133円34銭)。

英国ポンドは対ドルで1%安、対ユーロでは0.5%の値下がり。 英経済を刺激する新たな取り組みは同国通貨価値の希薄化につながる との観測が広がった。

英商工会議所(BCC)は7日付リポートで、経済回復は「保証 されていない」として、イングランド銀行(英中央銀行)は量的緩和 プログラムを1500億ポンド(約23兆1600億円)の枠いっぱいに 拡大する承認を政府に求めるべきだとの見方を示した。同中銀は次回 の金融政策委員会を9日に開く。

ユーロは対スウェーデン・クローナで1.2%高、対南アフリカ・ ランドでも値上がりした。ドイツ経済技術省がこの日発表した5月の 独製造業新規受注指数(季節調整済み)は前月比4.4%上昇し、07 年6月以来で最大の伸びを示したことが手がかりとなった。

コメルツ銀行の為替ストラテジスト、ルッツ・カーポウィッツ氏 (フランクフルト在勤)は「ポジティブサプライズだったことは間違 いない」とした上で、「少なくとも景気回復が進展していることを示 唆している」と述べた。

円の上昇

円は主要16通貨すべてに対して上昇。スウェーデン・クローナ に対しては2.3%高、対南アフリカ・ランドでも値上がりした。米企 業の業績見通し悪化懸念からS&P500種株価指数が2%下落したこ とが背景。

ドルは対ユーロで過去1カ月間、1ユーロ=1.40ドルを挟み上 下3セントのレンジで取引。投資家の間では世界的な景気回復の持続 可能性について見方が分かれている。

1カ月物のユーロ・ドルオプションの1カ月のインプライドボラ ティリティはこの日12.15%に低下。米リーマン・ブラザーズ・ホー ルディングスが経営破たんした08年9月以来の低水準に接近した。 投資家が今後数カ月に価格変動がより小さくなると見ていることを示 している。

インベステック・アセット・マネジメント(ロンドン在勤)の サノス・パパサバス氏は、米国の貿易赤字と財政赤字を理由にドルを 「アンダーウェイト」としている。

「双子の赤字」

パパサバス氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「米経済の根本的な要素は、双子の赤字の観点から見るとかなりネガ ティブだ」と述べた。

オバマ米大統領経済顧問のローラ・タイソン氏はこの日シンガポ ールで講演し、米国はインフラ投資に焦点を絞った景気刺激策第2弾 の取りまとめを検討するべきだとの考えを示した。2月に承認された 7870億ドル規模の刺激策は「やや小さ過ぎる」と説明。

タイソン氏は現行の計画は「確かな効果をもたらすだろうが、実 体経済の病状はかなり深刻だ」と述べた。その上で7870億ドルの刺 激策は第3から第4四半期にかけて大きな効果が表れると指摘した。

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