ミナミマグロ養殖で成果挙げる豪漁業家:すし向け持続的生産に意欲

ヘーゲン・シュテア氏は、経営する 養殖会社の主任研究員からの電話で、総費用約4800万ドル(約45億 8000万円)を投じたミナミマグロの養殖がついに利益につながりそう だとの知らせを受けた3月12日、オーストラリアのアデレードにある 自宅にいた。このようなケースは成功例がなかった。

主任研究員の科学者、モーテン・ダイヒマン氏はシュテア氏に「大 成功だ。戻って来た方が良い」と告げた。

豪クリーン・シーズ・ツナの会長であるシュテア氏は、豪州南部 のアーノ湾外にある魚卵のふ化場まで500キロメートルを超える道の りを急いだ。一刻も早く受精卵を自分の目で確かめようと、トヨタ製 「ランドクルーザー」を時速180キロメートルで走らせた。目には涙 が浮かんでいた。

シュテア氏は約40年間、漁業会社のオーナーとしてミナミマグロ 漁で生計を立てていた。ミナミマグロはニューヨークや東京のレスト ランですしの材料として利用される。67歳になったシュテア氏はミナ ミマグロを、そして自身の蓄財のきっかけとなった漁業を、絶滅の危 機から救おうとしている。

ジーンズにチェック柄のシャツ姿のシュテア氏は「これは、世界 中で誰もやったことがなかった。今後長年にわたって続けられる漁業 を作り出した」と語る。

青色と銀色の金属のような輝きを放ち、威厳ある姿のマグロは、 豊かな風味ととろけるような食感から日本や欧米のすし愛好家に高く 評価されている。この味覚を求めるグルメたちの熱意により、ミナミ マグロとクロマグロは急減し、キハダマグロやメバチマグロも大幅に 減少する恐れがある。

シュテア氏は1990年代初めに海洋での養殖業を手掛け始めた。現 在では養殖業は活況で、マグロ減少の深刻化の抑制につながっている。

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