ゴールドマンとモルガンSが意見対立-FRBの量的緩和「出口戦略」

米ゴールドマン・サックス・グル ープによると、米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレに関して は気を休めることができるという。ただ、モルガン・スタンレーにと ってこの種の見方は神経質にならざるを得ないものだ。

モルガンの共同チーフ・グローバル・エコノミストのヨアヒム・ フェルズ氏は、FRBが大恐慌以来最大の信用緩和策を過度に長引か せるリスクがあるとみる。これに対しゴールドマンの米エコノミスト、 エド・マッケルビー氏はこうした懸念は行き過ぎだと述べ、消費者物 価を上昇させずに、1兆1000億ドル規模の銀行システム・経済てこ 入れ策を終了するための約10の選択肢を展開する時間が、FRBに はあると指摘する。

こうした議論は、FRBが過去30年のインフレ対策で積み上げ た成果を維持できるかどうかをめぐり、エコノミストの意見の隔たり が深まっていることの表れだ。過去最大の流動性供給や1兆8500億 ドル規模の財政赤字見通しがFRBの実績を損ないかねない状況にあ る。

フェルズ氏はインタビューで「緩和策を長く継続し過ぎるリスク の方が、急過ぎる引き締め策に伴うリスクよりも大きい」と述べ、 「当局は景気浮揚のために、インフレ率の上昇という代償を払うこと になる」と分析した。

セントルイス連銀のブラード総裁は6月30日の講演で、当局が 注目するインフレ期待の指標は「昨年後半にマイナスになった」後、 ここ数カ月で「2%に近い水準」に上昇したと指摘。投資家の間では 「今後5年間の大幅なインフレ圧力は予想されていない」との認識も 示した。

FRBの歴史を研究するカーネギー・メロン大学のアラン・メル ツァー教授(経済学)は「市場はインフレに過度に楽観的だというモ ルガン・スタンレーの意見に、わたしは賛成だ」と述べた上で、「F RBには確かに手段もノウハウもあるが、問題はそれを利用する勇気 を持つかどうかだ。インフレ鈍化のために引き締めに前向きになる可 能性はゼロに等しいと思う」と語った。

一方のゴールドマンは、リスクが別の方向にあると指摘し、景気 が悪化すればFRBは一段の信用緩和策が難しくなりかねないとみる。 米国担当チーフエコノミストのジャン・ハッチウス氏は1日付リポー トで、FRBがインフレを「制御できなくなる可能性は極めて低い」 と指摘した。

To contact the editor responsible for this story: Chris Anstey at canstey@bloomberg.net

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