債券相場は軟調、金利急低下の懸念から買い控え-40年入札やや低調

債券相場は軟調(利回りは上昇)。 新発10年国債利回りが3月後半以来となる1.3%割れに到達したこと で、最近の急激な金利低下への警戒感が広がった。40年国債の入札結 果がやや低調だったことも買い手控えの一因とされた。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャーは 過度の景気回復期待が修正されるタイミングに、投資家のポートフォリ オ構築の動きが重なったが、「さすがに年度の金利見通しの下限に近づ く水準での買いには慎重にならざるをえない」と指摘した。

東京先物市場の中心限月9月物は、取引開始後にマイナス圏で推移 していたが、午前の取引半ばに買いが膨らむと一時は前日比4銭高の 138円62銭をつけた。しかし、午後に入ると再び売りが優勢となって 138円39銭まで下落。その後はやや下げ幅を縮めており、結局は11銭 安の138円47銭で引けた。日中売買高は1兆7904億円。

先物9月物は午前の取引で続伸する場面もあったが、現物市場での 買いが細るなかで次第に上値は重くなり、終値は小幅ながら8営業日ぶ りに下落に転じた。みずほ証券の海老原慎司クオンツアナリストは、投 資家層が限定される40年債の入札結果で需給懸念は高まらないながら も、相場上昇の勢いを止めるきっかけとなったほか、「株価の下げ渋り もあって先物売りが出たもようだ」と指摘した。

新発10年債利回りは1.305%

現物債市場で新発10年物の302回債利回りは、前日比1.5ベーシ スポイント(bp)高い1.315%で始まった。開始後に買いが先行すると午 前10時半前後には1.295%をつけ、新発10年債として3月下旬以来と なる1.3%割れを記録。しかし、午後には1.30-1.31%に戻しており、 4時現在では横ばいの1.305%で取引されている。

大和住銀投信投資顧問の横山英士ファンドマネジャーは、現物相場 は引き続き底堅く推移している印象だとしながらも、「10年債利回り で1.3%の水準はポイントになっているので、金利水準がよいところま で低下したと判断した売りも出ていた」と指摘した。

6月後半以降には市場の想定以上のピッチで金利低下が進んだだけ に、新規の債券購入に慎重な雰囲気が広がっているのも事実だ。ドイツ 証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、金利が一本調子で低下した ことから押し目買いニーズは強いとしながらも、「10年債の1.3%や 20年債の2%割れは金利の下限と意識されてきた水準であり、投資家 の買いは次第に細っていく」との見方を示した。

一方、週初から長期や超長期ゾーンを中心に買いが入ったとみられ この日も新発20年債利回りが4月はじめ以来の低水準をつけるなど、 利回り曲線にはフラット(平たん)化圧力がかかった。みずほインベス ターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミストは、「10年債の

1.2%台は積極的に買い進む水準ではないが、需給懸念で買い控えてい た向きのキャッチアップがあるのだろう」とみていた。

40年債入札はやや低調

40年債の入札結果はやや低調と評価された。財務省が午後零時45 分に発表した40年国債(2回債、7月債)の入札結果によると最高落 札利回りは2.255%となり、市場の事前予想の2.225%を上回った。応 札倍率は前回債の3.85倍を下回る2.85倍にとどまった。

大和住銀投信投資顧問の横山氏は、40年ゾーンに関しては投資家 が限定されているため、結果がいまひとつでも他の年限への影響は乏し いと指摘した。ただ、金利水準の低下により40年債への需要が減退し た可能性もあり、トヨタアセットマネジメントの深代氏は、「超長期ゾ ーンの主要な買い手は金利が下がると購入を抑制する傾向がある」こと から、20年債の2%割れなどでは相応に警戒感が必要だという。

機械受注など景気指標も注目

8日に発表される機械受注や景気ウォッチャー調査などの指標が注 目されている。みずほインベスターズ証の落合氏は、景気ウォッチャー 調査は景気底入れの議論をけん引してきた指標だといい、「昨年12月 をボトムとして5カ月連続で回復した傾向が途切れて悪化に転じるよう だと、債券市場にとってサポート要因となりうる」と予想している。

ブルームバーグ調査によると、設備投資の先行指標である船舶・電 力を除く5月のコア機械受注は前月比2.4%上昇して、3カ月ぶりにプ ラス転換する見通し。一方、6月の景気ウォッチャー調査において、景 気の現状判断DIは前月の36.7から38.0に小幅ながら上昇が続くとみ られている。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Nicholas Reynolds +81-3-3201-8676 nreynolds2@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE