米国債:2年債続伸、FRBの購入とTIPS入札好調で

米国債市場では2年債が3営業日 続伸。米連邦準備制度理事会(FRB)が70億ドル相当の米国債を購 入したことや、インフレ連動国債(TIPS)の入札で需要が9年ぶ りの高水準に達したことを好感し、買いが入った。

今週の一連の入札を控え、10年債はほぼ変わらず。一方、短期債 が上昇し、利回り差は過去2週間余りでの最大に拡大した。米供給管 理協会(ISM)が発表した6月の非製造業総合景況指数は9カ月連 続でサービス業活動の拡大と縮小の境目を示す50を割り込んだ。発行 額80億ドルの10年物TIPS入札では応札倍率が2000年以来で最 高となった。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・ オドネル氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「過去 3カ月、非常に好調だったリスク資産に対する見直しが始まっている。 そのため、2週間前の入札やこの日のTIPS入札が示すように、米 国債市場に資金が戻ってきている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時53分現在、2年債利回りは前営業日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下の0.94%。一時は0.9252%と、 6月4日以降の最低を付けた。2年債(表面利率1.125%、2011年 6月償還)価格は3/32上げて100 12/32。10年債利回りは

3.50%と、前営業日から変わらず。

2年債に対する10年債利回りの上乗せ幅は一時、2.61ポイント と、6月19日以来で最大になった。

入札

10年物TIPS入札では最高落札利回りは1.920%と、入札直前 の市場予想の1.933%を下回った。投資家の需要を測る指標の応札倍 率は2.51倍と、前回4月の2.25倍を上回り、2000年以降で最高と なった。

海外中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合は49.7%。 前回は26.2%。最近の入札で間接入札の割合が上昇していることにつ いては、規則の変更により、一部の顧客がディーラーの分類から外れ たことが影響している可能性がある。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジ スト、アレックス・リー氏は入札について「かなり好調だった」と指 摘。「TIPSは過去数週間、通常国債との利回り差やインフレ調整 後の利回りからみて、割安感がかなり高まっていた。投資家にとって この水準は魅力的だ」と語った。

10年物のTIPSと通常国債の利回り差は1.62ポイントに縮小 した。これは5月19日以来で最小。利回り差は6月10日には最大

2.13ポイントまで拡大していた。

底入れ観測が後退

ISMの非製造業総合景況指数は47と、前月の44から上昇し、 ブルームバーグがまとめた予想(46)も上回った。同指数は50を下回 るとサービス業活動の縮小を示す。同指数は昨年10月以降9カ月連続 で50を下回ってきた。

前週は雇用統計で雇用の減少ペースが予想を上回り、失業率が

9.5%とほぼ26年ぶりの高水準に達したことが買いを誘った。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏は「底に近 いとの見方に市場は疑問を抱いている。問題はまだ解決されていない との認識が再び強まっており、短期的には2年債の方が長期債よりも 上昇するだろう」と指摘した。

FRBは借り入れコストを抑制するため、最大3000億ドルの米 国債購入計画を実施しており、その一環としてこの日は償還期日2014 年1月から16年3月までの国債を70億ドル購入した。3月25日に 始まった国債買い切りオペによる購入総額は1977億2300万ドル。

経済情勢「読み違え」

バイデン米副大統領は5日、ABC放送の番組「ジス・ウィーク」 に出演し、議会が7870億ドル(約75兆6000億円)の景気対策法 を成立させれば失業率が8%でピークに達すると予想した時点で、オ バマ政権が「経済情勢を読み違えた」ことを認めた。ただ、追加的な 景気刺激策の策定を議論するのは時期尚早だとした。

今週は合計4回の入札が実施される。発行額は7日の3年債が 350億ドル、8日の10年債は190億ドル、9日の30年債は110億 ドル。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は「今週の主な材料は入札になるだろう」と話 した。

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