NY外為:円が上昇、景気見通し悪化でリスク回避の買い

ニューヨーク外国為替市場では円 が対ユーロで5月以来の最長となる3営業日続伸。世界的に景気回復 が足踏みするとの観測から資金を逃避させる動きが進んだ。

ドルと円は対ユーロでほぼ2週間ぶりの高値を付けた。S&P500 種株価指数が一時1.1%安で推移するなど、世界的な株価下落が背景に ある。ノルウェー・クローネや南アフリカ・ランド、ブラジル・レア ルは対ドルで下落。原油をはじめ商品価格の落ち込みが材料視された。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「典型的なリスク回避の取引だ。 円を筆頭にドルも買われている」と指摘。「景気回復は望んでいたほ ど強固なものにはならないとの兆候が増えており、金融市場の強気な 見方は現実に合わせて調整されなくてはならない」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時3分現在、円は対ユーロで0.8%高の1 ユーロ=133円26銭(前週末は同134円26銭)。一時は6月23日以 来の高値となる同131円74銭まで値上がりした。ドルは対ユーロで1 ユーロ=1.3978ドル(前週末は同1.3980ドル)。一時は同1.3877ド ルを付ける場面もあった。円は対ドルで0.7%高の1ドル=95円33銭 (前週末は同96円4銭)。

ドルと円は株価が持ち直すと上げ幅を縮小。米財務省がこの日実 施したインフレ連動国債の入札が予想より順調だったことから、大量 の国債発行に需要が追いつかないとの懸念が和らいだ。

ポンド安

英ポンドは対ドルで一時1.5%下げ、1ポンド=1.6096ドルを付 けた。イングランド銀行が景気てこ入れに向け追加措置を計画してい るとの見方が背景。ポンドは先週、同中銀が資産購入の規模を250億 ポンド(約3兆8560億円)拡大する可能性があるとの英紙サンデー・ タイムズの報道を受け1.2%値下がりした。

インド・ルピーは対ドルで最大1.4%安。日中取引では6月8日以 来の大幅下落。同国のムカジー財務相がこの日、道路や電力、貧困層 支援向けの財政支出を賄うため、過去最大となる4兆5100億ルピー (約8兆8500億円)規模の借り入れ計画を明らかにしたことが背景。

ノルウェー・クローネは対円で1.6%安。同国最大の輸出品である 原油がこの日約4%値下がりしたことが嫌気された。南アフリカ・ラ ンドは0.5%安、ブラジル・レアルは0.8%下落。商品はブラジルの輸 出の3分の2、南アフリカでは30%を占める。

「確固としたリターン」

UBSのアナリスト、ガレス・ベリー氏(ロンドン在勤)は6日 付調査リポートで、UBSの顧客は先週、株式市場の「動揺」に伴い 「リスク志向が全般に弱まり始めた」のを背景に、ドルへの投資で 「確固としたリターン」を得たと記述。UBSによると、米国では休 日だった3日もドルへの資金流入規模は大きく、週間ベースでも通常 の水準に達したほどだった。

ベリー氏は「おう盛なドル買いにもかかわらず、当社の顧客は3 カ月ベースではドルをわずかにショート(売り持ち)に維持。先週の 買いはショート(売り持ち)ポジションの買戻しが殺到したことに起 因し、必ずしもドルのファンダメンタルズに対する信認を意味するも のではない」と付け加えた。

S&P500種株価指数は先週2日、米労働省が発表した6月の雇用 統計で失業率が26年ぶり高水準の9.5%に上昇したことを受け2.9% 値下がりした。

バイデン米副大統領は5日、ABC放送の番組に出演し、オバマ 政権は議会が景気対策法案を可決すれば失業率は8%でピークに達す ると予想した時点で、「経済情勢を読み違えた」と述べた。

ユーロは対円で5月13日以来の最長となる3営業日続落。米サブ プライム住宅ローンン危機による打撃をドイツで最初に受けたIKB ドイツ産業銀行が4日、3月通期損失を5億8000万ユーロと明らかに したことが背景。欧州中央銀行(ECB)の政策金利1%に対し、日 本銀行は0.1%に設定している。

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