遺体で発見の元ABNアムロ幹部、死因究明へ-「銀行に捧げた人生」

6月にロンドンの自宅から約40キ ロ離れた森の中で遺体となって発見されたハウベルト・バウメースタ ー氏は、職業人生のすべてをオランダのABNアムロ・ホールディン グの銀行業務に捧げた人物だった。

ABNアムロでかつて最高財務責任者(CFO)を務めた同氏は、 同行が史上最大の金融再編劇の標的となった2007年、英銀バークレイ ズによる買収を強く推した。ところが英銀ロイヤル・バンク・オブ・ スコットランド・グループ(RBS)率いるグループが勝利を収め、 その1年8カ月後に遺体で見つかった。体には銃撃の跡があった。英 警察当局によれば、死因究明作業は6日始まる。

バウメースター氏の1991年の結婚式で付添人を務めた元同僚のマ ヒール・ヤンセン・スホーンホーフェン氏は「とにかくビジネス優先 の人物だった。買収劇は自由市場のもたらす結果の一部ととらえてい た」と語る。

49歳で死亡したバウメースター氏は1987年にABNアムロに入行 し、同行が世界的な金融機関に発展する上で貢献した。バークレイズ に買収されていれば、統合後会社ではABN側からただ1人、執行取 締役に就任したはずだった。が、スペインのサンタンデール銀行とベ ルギーのフォルティスも加わったRBS連合に分割される現実に直面 した。

ABNアムロのライクマン・グローニンク元最高経営責任者(C EO)はインタビューで、同行での「出来事や買収後の展開が何らか の役割を果たした可能性はあるが、それが原因だという結論には達す ることができない」と語り、「自らの命を絶たざるを得ないような、そ んな責任をABNアムロで感じることはなかったはずだ」と述べた。

人生の大きな部分

バウメースター氏は2007年7月、ブルームバーグテレビジョンと のインタビューで、RBS連合によってABNアムロが分割される懸 念を表明。「統合とは次元が違う、銀行解体の問題がある」と話してい た。同氏はABNアムロが身売りした後の08年3月に同行を去った。

ABNアムロのウィルコ・ジスクート元副会長は同行がバウメー スター氏にとっては「非常に重要で、人生の大きな部分を占めていた」 と語る。また同氏が「ひどくふさぎ込んでいた」ことも明らかにし、「電 話をしても返答せず、携帯電話のスイッチも切って返事をしなかった。 明らかに自らを孤立させようとしていた」と述べている。

金融や投資の世界では過去1年、自殺が相次いでいる。英投資家 のカーク・スティーブンソン氏は昨年9月、ドイツの富豪アドルフ・メ ルクレ氏は今年1月にそれぞれ電車に飛び込み、米フレディマック(連 邦住宅貸付抵当公社)のCFO代行だったデービッド・ケラーマン氏 は4月に首を吊った。

米国自殺学会(AAS)の幹部ラニー・バーマン氏は「自殺者の 8-9割は精神的にダメージを受けていたと診断されるが、実際に治 療を受けようとしたのはその半分程度だ」と指摘した。

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